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炎 アンサンディ (シアタートラム)










ソワレ。再演。

1+1=1になることがあるのだろうか。そんな問いかけの先の向こう側。
何年か前に、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『灼熱の魂』を観ていたので
内容は知っていたのだけれど、舞台になるとどんな感じになるのか・・
という興味のまま観に行く。初演は観ていないので楽しみだった。
シックな空間に小さな椅子がころがっている。
淀みのないただ演じるためにそこがあるようなシーンとした空気の中
公証人から手紙を渡される双子のジャンヌとシモン。
ふたりにとっての母ナワルは自分たちを愛してくれていなかった
冷たい親という記憶しかない。だけれど運命というか宿命のように、
どこかにいるはずの父と兄を探し母の手紙を渡すことになってしまう・・

「こうして一緒になれたから大丈夫」

これ以上、悪いことは起きないのではないかというくらいの
どん底の闇の展開はたとえ内容を知っていても寒気がするくらい哀しくて重い。
映画で観た時には足の三個の印を観た瞬間に息がとまりそうになり
思わず声をあげてしまったくらいだった。
そうやって映像は伏線をしかけ一瞬の場面で説得力をもたせるけれど
舞台は言葉の積み重ねと俳優たちの体現力でたたみかけてくる。
その灰色の輝きのような深く親密な舞台空間が
まるで、鈍い痛みがお腹の底に広がるように突き刺さるようでたまらなくなった。

やがて真実の前にナワルが沈黙したように、その沈黙の意味を受けとる。
1+1=1になり、すべてはひとつのことになってしまった。
そしてそれは、結局、アタシたちのところに舞い降りることなのだ。
知らない国で知らない時代で、知らない人達の話で・・と
何もかもを他人事として受け流してしまうことにむけての痛烈な問いかけにも感じた。
愛して探していた子供が強姦者で殺人者で父親で。
連鎖が重なりつながって、結果的にひとつになる。残酷な道程。
それでも雨は誰にでもふりそそぐ・・

板の上の7人。
すべての演者たちのそれぞれの個性と実力が
静かに輝く瞬間があり何度も何度も心をわし掴みにされました。
麻実さんと岡本さんがいたのもありベニサンピットを思い出します。
懐かしい・・・





<作>
ワジディ・ムワワド

<翻訳>
藤井慎太郎

<演出>
上村聡史

<出演>
麻実れい
岡本健一
中嶋しゅう
栗田桃子
小柳友
那須佐代子
中村彰男

<美術>
長田佳代子

<照明>
沢田祐二

<音楽>
国広和毅

<音響>
加藤温

<衣裳>
半田悦子

<ヘアメイク>
川端富生

<アクション>
渥美博

<映像>
猪爪尚紀

<演出助手>
的早考起

<舞台監督>
大垣敏朗

<制作>
佐々木美典
本橋歩

<プロデューサー>
浅田聡子

<企画・制作>
世田谷パブリックシアター

<主催>
公益財団法人せたがや文化財団


<あらすじ>
中東系カナダ人女性ナワル(麻実れい)は、ずっと世間に背を向けるようにして生きてきた。その態度は実の子供である双子の姉弟ジャンヌ(栗田桃子)とシモン(小柳友)に対しても同様で、かたくなに心を閉ざしたまま何も語ろうとしなかった。そのナワルがある日突然この世を去った。彼女は公証人(中嶋しゅう)に、姉弟宛の二通の謎めいた手紙を遺していた。公証人は「姉にはあなたの父を、弟にはあなたがたが存在すら知らされていなかった兄を探し出して、その手紙を渡して欲しい、それがお母さんの願いだった」と告げる。その言葉に導かれ、初めて母の祖国の地を踏んだ姉弟は、封印されていた母の数奇な人生と家族の宿命に対峙することになる。その果てに姉弟が出会った父と兄の姿とは・・

カテゴリー:舞台観察記

Author.ガオ
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 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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