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いつの間にか、今にして思えば



今にして思えば、あれが最後の日だったのかもしれない。
いつも店の奥で座っていた店主のおじさんが、
めずらしく店前に立って商店街を行き交う人たちを温かく眺めていた日があって
でも、アタシは気にもせず、あ、いつものおじさんだ・・と思いながら
その日は手荷物いっぱいだったし寄らずに通り過ぎたのだった。
それからしばらくして、店には、今までいたおじさんもおばさんもいなくなり
若い爽やかなお兄さんがいて、でも同じキムチ屋さんだったから
てっきり同じお店で実は忙しくて新しい店番の方を頼んだのだと勝手に思いこみ、
キンパとメルミムッという蕎麦粉のお豆腐のようなものを買った。

帰宅して、キンパを食べてみた。美味しい。
でも、何かが違う・・なんだっけ、何かが・・と頭の中でグルグルとなる。
そういえば、いつもの場所にお気に入りの生マッコリがなかった・・
そういえば、大好きなミニトマトのキムチや梅干しのキムチがなかった気がする・・
いや、たまたま売れてしまったのだろう、と気にもしなかったのだけれど、
しばらくして再訪してみると、今度は笑顔の素敵なお姉さんがいた。
「生マッコリはありますか」と訊ねるとお酒のことはよくわからないという。
それで、いつもここにあった緑色の・・と指をさしてみたら、
奥にある冷蔵庫の中にあるマッコリを色々みせてくれた。
やっぱり、何かが違う・・その日もトマトのキムチはなかった。
ふと、店先を見上げてお店の名前をみると、違うお店になっていた。
閉店の報せがあったのかなかったのかわからないけれど
アタシは気がつかなかった。そして、思い出したのだ。
店先に立っていた、あの日のお店のおじさんの姿を。

大好きなトマトや梅のキムチがあった「京城物産」という韓国食材屋さんは
なかなかの老舗だったのではないのだろうかというくらい
結構昔から横浜橋商店街にあったお店だった気がする。
ちょうどキムチ作りにハマった時にアミの塩辛を探していて
他のお店は一律500円なのだけれど「京城物産」さんは
グラムで小分けしてくれていて200円ぐらいから買うことが出来て
とても助かったし、小さめの店内だけれど飲みたい焼酎も、
生マッコリも、食材も豊富で、各種キムチも美味しくて
美人で気さくな女将さんと温厚そうな店主のおじさんのどちらかが
必ずいてくれていたお店だった。

何があったのだろう・・結局わからないままで
違う韓国惣菜と食材のお店になっていた。
新しいお店は「オモニの味」というお店で、
ここも、なかなかいいお店だと思う。
今も若いけれど、今よりも更に若かったころのチョ・スンウさん似の
爽やかなお兄さんと、感じのいいお姉さん2人ぐらいで
営んでいるみたいで、とにかく、このお兄さんが
人気者みたいで、もちろんアタシも好き(笑)
(他にもいるかもだけれど、今のところ見かけたのはこの3人)
最近はバタバタしていてお店が開いている時に
立ち寄ることが出来ないでいるのだけれど
時々買うシリットという韓国の蒸し餅が美味しいし
カクテキも好きな味。

でも、たまに食べたくなる、トマトのキムチ。
初めて食べた時、楽しくて美味しくて。
あの日、店先に立っていた店主のおじさんは
どんな気持ちで立っていたのだろう。
気さくで感じがよかった女将さんもどうしているのだろう・・

カテゴリー:飲喰雑記

Author.ガオ
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 夕陽 冬の海 路地 ガリガリくん
 ニャンコの寝息 ワンコの笑顔
 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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