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第26回 TAMA CINEMA FORUM 『十年 TEN YEARS』 トーク覚書



先日、TAMA映画祭で観てきた『十年』は日本で上映してくれるのは二回目。
最初に上映してくれた大阪アジアン映画祭には遠すぎて行けなかったのだけれど
行ける場所で開催してくれていたTAMA映画祭で上映してくれると知り
今回はもう、とにかくこの映画を観たいという思いだけで観てきました。
感想はまた改めてメモるとして、上映後のトークにジャーナリストの
福島香織さんが登壇してくれました。で、いつものように走書きの
自分ですら読めないミミズのような乱れ汚い字(苦笑)が読めるうちに
自分用の覚書としてメモ。聞き間違え、書き間違え多数あり。




第26回 TAMA CINEMA FORUM 『十年 TEN YEARS』上映後に
ゲストの福島香織さんと実行委員の方が登壇してくれました。
実行委員の方と観客の方の言葉は「」なし。福島さんの言葉は「」あり。


今日は、香港中国現在の今の香港中国のつながりを把握していただいているのは
福島さんということで来ていただきました。お忙しい中、ありがとうございました。

「こちらこそ呼んでいただきありがとうございました」

この映画は2015年に香港で公開されて香港市民から支持を得て、
その時スターウォーズが公開していたんですが興行収入を追い抜きました。
なぜ、香港の人たちがこれだけ熱狂的に支持をしたのか、その背景をちょっとお話してください。

「この映画をご覧になって、
 例えば、あ、これはひょっとしたら現実じゃないかな・・
 と、思われた方はそうとう今の香港をわかってらっしゃると思います。
 これは、5つのオムニバス形式の映画なんですけど
 実は全部つながっているんです。
 最初は2020年で、国家安全条例、治安維持法で
 テロを中国の国家安全法を成立するところから始まりますね。
 その後、天安門事件のように反体制は追いやられてしまって
 最後の抵抗運動、今のチベットのように焼身自殺で命がけの抵抗して
 その一方で独立派がオフィスに放火してそれを理由に軍隊が
 天安門事件のようにしていき、そんな風に絶望的になっているんだけれども
 最後に本土卵というところでちょっとだけ希望が見えてくるという・・
 そういう作りになっていて、全部ひとつの物語になっているというような
 凝った作りになっているんですね。
 私は一番最後の本土卵という地元産の卵の話が好きで、
 なぜかと言うと子供が良心、心の正しさを他人の意見に従わないで
 自分の頭で考えて本屋さんを助けるというストーリーを観た時に
 日本のドラえもんがかかわっているというのに香港人の感覚がわかる気がします。
 
 そして、この映画がなんでこんなに人気があったかというと、
 もう、ご存じの方はご存じだと思いますが
 2014年の9月から79日香港の公道を占拠する事件がありました。
 それを<雨傘運動>と言いますけど、この映画も
 その雨傘革命から始まったひとつの現象だと思います。
 どういうことかというと、香港の歴史が映画の中でも
 少し出ていたと思うのですが1997年に英国の統治下にあった香港、
 いわゆる植民地だった香港が中国に返還されます。
 香港人の意思とかまったく関係なく
 中国と英国の間で香港のことが決められるわけですね。
 その時に香港の憲法も決められてしまったので、 
 皆はこれからどうなるかわからないとなり相当動揺が走ったと思われます。
 でも、その後、結構普通に香港の日常が戻ってきたので
 順調に香港の一部、中国の一部として一国二制度の中で
 香港の自治権が守られていくのかなという時期がありました。

 皆さん、この映画を観てどこまで背景を理解しているのかわからないので
 まどろっこしいところがあると思うのですが
 香港というのは、中国に返還される植民地から独立の機会がないまま
 中国に返還されているんですけれども、やはり英国の良心がとがめたのか
 香港の自治を守るためにシステムを作りました。
 その時、鄧小平とサッチャーが決めたのですが
 鄧小平が提示したのは一国二制度というシステムです。
 この一国二制度というのは、中国と香港はひとつの国なんだけれども
 制度はふたつあって、香港の民主主義的な政治体制というのを
 維持しますよということなんですね。だから外交、国法以外は
 皆、香港人が決めていいですよというシステムだったはずなんですね。
 ところが、現実には香港があまりにも民主主義や自由という
 西側の価値観を謳歌するのは中国に相当影響が与えられることになるので
 中国側は香港をどんどんしめつけようと中国化していこうとします。
 
 私が香港に駐在していたのは2001年ですから
 返還から4年ぐらい経った時で、皆が一応香港の自由を
 このままどうやって保っていこうかと頭を抱えながらも、
 まだまだやる気満々で希望を持っていた頃です。
 でも、急激に事態が変わっていく事件がありました。
 2003年にSARSという感染症が流行ります。
 そのSARSが流行ったのには理由がありまして、
 そういう新しい感染症、中国の広東省辺りが
 最初の発生地だったけれども発生したということを
 中国政府が情報操作をして公開しなかったんです。
 そういうことで香港に情報が与えられていなかったために
 あの人口密集地の香港で、あっという間に感染者が広がり
 それだけじゃなくて、世界に広がるという事件がありました。
 
 この時に初めて香港人は
 中国の一部になり中国の制度を投げ込まれるということは
 かなり恐ろしいことだということに気が付き、そこで抵抗が起きます。
 その頃、香港の抵抗運動を気にした中国当局は
 この映画の最初の話にも出てくる国家安全条約、
 香港の治安維持法を作ろうとする動きがありました。
 香港の治安維持法である国家安全条例というのは
 中国と英国が香港に押し付けた憲法ですけれども、
 その憲法の条項にしたがって作ることが決められていたんですね。
 その時に、こんな治安維持法のようなものを作られては
 今までの香港の自由というのを失われるということで
 50万人規模のデモが行われました。
 その時の胡錦涛政権は香港が乱れるのは中国にとっても
 共産党政府にとっても危ういことなので
 国家安全条例を立法せずに棚上げすることに決まりました。
 その代わり、じわじわと経済進出して経済的に
 香港を追いつめるという戦略にかえたんですね。
 そして、この戦略が見事成功して、気がついたら
 香港のメディアというのは全部親中派になっていました。
 つまり、経済は均一化して香港経済のほとんどが
 中国に依存するように一番影響うけるのがメディアだったんです。
 メディアが、世論を誘導し親中派になってしまったので
 ずっと、香港で、中国の政治に不満を持っているという人たちが
 そんなに多いというふうに表沙汰になりませんでした。
 だけども、実は表沙汰になっていない中で心の底ではずっと皆、
 不満に思っていて、それが2012年頃から表面化していくことになります。
 
 なぜ、皆、不満に思っていたかというと、
 気がついたらメディアが本当のこと言わない、
 市民の本当の気持ちを代弁しなくなった、
 経済は全部中国に依存している。
 そして、どんどん大陸から香港に人が来て、
 香港人は経済的に自分たちが有利だと思っていたのが
 いつの間にか香港ドルよりも人民元の方が価値が上がって
 流通して使い勝手が良くなってお買いものしてブイブイしているのは
 全部大陸のお金持ちだということになり、
 不動産は値上がりして香港の普通の人たちが部屋を借りるのも
 不動産を買うのも困難になって、学校も病院も気がついたら、
 中国からやってきた人たちが一番いいところを占めてしまい、
 香港の若者たちは学校も就職も大変になってくる・・
 というような状況に気がついたらなってしまっていた。
 だけれども、実はメディアとかが完全に中国に掌握されていたので
 それが例えば報道とかで表沙汰にして社会を変えていこうという動きは
 ほとんどなくて、なかなか表沙汰にならなかった。
 ところが、2012年になると、これはオカシイぞ・・
 という気持ちが皆高まってきた頃に雨傘運動が起きるわけですね。
 この雨傘運動の中心になったのが、
 今回立法委員会の議員になった若者たちなんですけれども
 大学生や中高生という少年少女といえる若い人たちが立ちあがって・・
 と、そういう背景があります・・

 もし、雨傘運動というのがどういうものか、
 ちょっと詳しくお知りになりたかったら
 私は雨傘運動に関しては発生直後に行って、
 終わった後も色んな方にインタビューして取材もしてきましたし
 今も雨傘運動に参加している若者たちとの交流は続けてます。
 そういったことをまとめたルポタージュ
 <SEALDsと東アジア若者デモってなんだ>という本に
 雨傘運動の話をかなり詳しく書いています。
 そして、なぜ、そういう雨傘革命がおきたかという背景の中国、
 今の現象ということについては最近出しました
 <中国が滅びる日 チャイナリスク2017>という本の中に
 中国の体制のことについては書いています。
 つまり、中国の習近平体制が2012年秋に始まった以降に
 香港と台湾の政策が大きく変わってきました。
 もともとの根本的なところは変わってないかもしれないのですが
 今まで、静かに隠密にやろうとしていたことを
 目立って急いでするようになったので、香港台湾が物凄く反発したんです。
 この反発がおきている結果、この映画だという風に私は考えています」

背景詳しく話していただいてありがとうございます。
映画が5作品あったんですけど福島さんとしてはどの作品が一番好きですか?

「一番最後の<本土卵>という地元産の卵の話が
 希望があっていいなと思いました。
 あれは本土の子供が紅衛兵みたいになって、
 大人たちの中国政府に代わって香港人たちの違反を摘発するんですね。
 あの様子は実は文化大革命という1967年から
 10年間中国で続いた権力闘争というか、社会主義というか、
 その中で少年少女が先生とか大人たちを吊るしあげるという運動がありました。
 そういうのを彷彿させるんですね。子供が大人を共産党に代わって摘発していく。
 映画の方ははっきり言って荒唐無稽な内容なんですけど、
 でも、その中で本土の卵、つまり香港産の食べものを食べていく
 地元に愛着を持って生きている人たちはオカシイなって気が付くことが出来るという、
 こんなに簡単に本当の香港人は洗脳されないぞというメッセージがあって、
 私は結構好きだったんですね。さっきもちょっと言いましたように、
 そこに子供がオカシイぞって気が付くのが
 ドラえもんが禁書になったっていうのが面白くて、
 やはりドラえもんというのは日本を代表する物語なんだけれども、
 すぐ隣に日本という結構大らかで自由で表現の自由は国際社会の中では
 低いと評価されているんですけど実は漫画表現とかアニメ表現を観ていると
 相当色んなタブーじゃないけれど、こんなことも表現しているのかっていうくらいに
 表現されているのでそういった日本のサブカルチャーが
 香港人の表現の自由とつながるのではないかと思いました」

この映画に対する色んな外国のメディアを今回
TAMA映画祭のパンフレットでも紹介しているのですが
実際問題として香港でこの映画をどんな状態で拡散していったのでしょうか

「これは相当中国側からの圧力をうけました。
 だから、普通の大きな映画館は上映したがらなかったんですね。
 なので、例えば学校の体育館とか、手作りの上映会みたいなのが
 色んなところで、やりました。それがフェイスブックとか
 SNSで拡がるんです、今日はここでやりますという形で。
 チケットはネットとかで売り出すんですけれど、すぐに売り切れちゃうんです。
 観たらダメだと言われたら人間心理としてどんどん観たくなるし
 話題が話題をよんで物凄くブームになりました。
 この映画を観て例えば『スターウォーズ』より面白いかと言われると
 たぶん『スターウォーズ』の方が面白いと思うんですけど、
 この映画を観ること自体が抵抗運動だったんですよね。
 彼らはそのつもりで映画のチケットを買って、映画を観ること自体が
 自分たちの政治的な意思表示だという思いがおそらくはあったと思います。
 今の映画産業というのは、おそらく2017年は中国になります。
 アメリカをたぶん追い越すと思うんですね。
 中国に頼らないと映画産業というのは生きていけない。
 監督も俳優も皆、中国に気を遣う時代になってきました。
 日本もそうだしハリウッドもそうです。
 その中で、中国に真っ向から挑戦するような映画を作るというのは
 ある意味、映画人としては自殺行為と思うんですけど
 それをあえてやる。たぶん、香港人は今の中国の共産党体制に対して
 激しい抵抗感をもって闘う気でいるかというのがうかがえると思います」

この映画は2015年から10年後の香港を描いているんですけど
福島さんからみて、本当に2025年にこんな感じになっていると思いますか?

「私はもっと早くになるんじゃないかなというような・・
 というのも、例えば普通語が話せないと
 仕事にありつけないという現象はすでに始まっているんですね。
 タクシー運転手が普通語を話せないと空港で客を乗せちゃいけないとか
 そういう決まりは今の所ないけれども、ほとんどの客が
 中国人になっていった場合、実際のところ仕事が成り立たないですよね。
 あと、焼身自殺っていうのは、今のところまだないですけど、
 ハンガーストライキっていうのは香港の雨傘運動の時も学生たちトライしたけれども
 あれは伝統的な抵抗運動として天安門事件1989年の時にも
 ハンガーストライキで若者は抵抗したんですけど、
 普通はハンガーストライキやって死にそうになると
 救急車が来て医者がドクターストップかけて命を助けて
 もらえるんだけれども、例えばそれを、一斉に無視するということが
 充分ありうる、つまり、彼らは本気で命をかけて闘うつもりだから、
 本当に死んでしまうこともあると思います。
 実際にそういう時代がよく似た状況というのがすぐそこに来ていて
 しかも、今、香港というのは本土派と言われている人たちが急激に増えています。
 そして、この人達を香港テロリズムという形でテロリスト扱いにするような発言が
 中国政府の方から出てるんですね。
 今年だったと思うのですが張徳江という人が香港を訪問する時に
 中国の警察とか公安は香港テロリズム、つまり、
 独立派はテロリストだ、みたいなニュアンスで語っていて、
 そういうような独立運動が広がってそれを中国側が
 テロリスト扱いして弾圧するという可能性というのは
 ありえない話ではないと思いますね。
 そういう意味で観てたら、全部(現実味が)ありますね。
 とてもリアルな映画で、ちょっと恐ろしい気もします」

現実的に香港の議会で宣誓拒否した議員たちの問題なんかもありましたけど
映画とはちょっと関係ないんですけど、そこがちょっと僕らからすると
新聞読んでも今一つわからなかったのですが・・・

「宣誓拒否した議員さんたちは香港の立法会という議会ですよね、
 これは直接投票の部分と直接ではなく職能団体でやるという
 二通りあるんですけど6人の本土派と言われるような
 独立派というような今までになかった新しい政治勢力の議員さんが当選しました。
 これ全員、直接投票で選ばれた議員さんです。
 その6人のうちの2人一番過激な香港独立派という人たちが
 宣誓の時に中国に対する忠誠というか香港は
 中国の一部であると認める宣誓をしなきゃいけないんです。
 それを拒否した、あえてそこを言わないようにしたりとか
 あるいは中国語で宣誓するところをわざと広東語でシナという言葉、
 いわゆる侮蔑語を使ったりして宣誓を拒否したんです。
 それで宣誓拒否したら、資格が取り消されますよという、
 これは香港基本法で決まっていることなので、
 議員の資格を剥奪されたんですね。
 でも、考えてみたら香港の有権者にしてみたら
 自分たちが投票で選んだ議員であって、憲法と言われる基本法は
 自分たちの意思とはまったく関係なく中国と英国で決めたことで、
 どっちを尊重してほしいかというと自分たち有権者だということですよね。
 そういうことで、とても強い抵抗運動がその後に起こりました。
 そして、この抵抗運動を今度は警察が制圧しようとして
 催涙ガスとかそういった武器を使ったので、また不穏な空気になっています」

今、福島さんがお話した背景とか今の動きとか話していただいているんですけど
今日もたくさんの方たちに来ていただいていますが、この映画は日本では
大阪アジアン映画祭で1日だけ上映して、それ以降まったく公開しませんでしたから
TAMA映画祭でも『TEN YEARS(十年)』という映画が内容が
どういうものか全くわからないまま、予告篇だけを何度も観たりしているうちに
これはどうしても公開したいという思いが強くなり、
自分たちで素材を香港から送ってもらって翻訳をして字幕をつけて
先々週ぐらいにようやく観ることが出来たのです。ですから、
これからこの映画がどのような形で拡散していくかわからないんですけど
今日来て観ていただいた方にこの映画の感想とあるいは福島さんに
お聞きしたいこととかありましたら、こういう機会はないと思いますので
時間もうけますのでどなたか挙手していただければQ&Aを行いたいと思います。

 «観客の方とのQ&A»

上映を観て感激しました。
映画の中でインド人たびたび使われていました。
最初にインドの方に関するデモがあって、そこで例の偽装テロ事件に
インドの方がかかわりますよね。その後も地元産の卵でも
インドの女性の方が私は香港生まれで香港人なのに
どうして差別されるんだという形で卵をぶつけられたりしてますが、
そのあたりの背景がわからなくて、あれはいったいどういう意味合いで
語られていたのかということを疑問に思いました。

「おそらく、私は香港生まれって言っていた方は
 パキスタンの方だったと思うんですけど
 ひとつは香港の多様性を表しているということと
 インドというのは元々英国の統治だった・・ということもあると思います。
 インド人が殺された、と、デモの途中で
 警察に制圧され事故死されたと思いますけど
 その背景とテロリストの亡命先を高飛びしようという
 話のつながりは私自身も背景がよく見えなかったんです」

(実行委員の方)特に今、福島さんがおっしゃっていたように
おそらく香港の多様性というのをパキスタンの方たちも
同じようにやっているということで表したんだと思います。
ただ、香港の人たちも被害者であると同時に自分たちもある意味、
加害的なこともあるんだよ、という、全くきれい事ではないんだということを
映画の中ではいったんだと私は思いますね。

「香港にいれば誰でも香港人だという主張というのを
 本土派の中では、結構主流のことで、本土派というのは
 今、香港では本土派という政治勢力が台頭しているのですが
 本土派というのは二種類あって、香港に生まれれば香港人だ、
 香港の未来は香港人が決めるんだ、中国やイギリスに決められるのではなく
 私たちが民主的に決めるんだと主張している本土派(民族自決派)と
 もうひとつは、香港人と中国人は違うんだ、というのを一番大事にしている本土派です。
 そして、本土というのを、どうして映画の中で禁止用語になったかというと
 中国の共産党の考え方では中国が本土であって、
 香港は本土の下にあるという考え方なんですね。
 でも、香港人は香港が私の国、香港が本土だといっていて
 (中国にとっては)腹が立つことで
 そういうのもあり、本土派という言葉は今、中国にとっては
 テロリストじゃないかと言うんですね。
 そんな中で、本土人、本物の本土人というのを
 どう定義しようということで今香港の若者の間でも
 意見が分かれているけれど、この映画で言っているのは、
 おそらく、中国から香港に新しく来た
 新香港人は中国人であって香港人じゃないという
 そういう価値観に対しての批判、インド人であろうが、
 インドの国籍でインドの血が流れていようが、パキスタンであろうが
 香港にやってきて香港で生活している人は香港人なんだと。
 市民がその人達で香港の未来を決めていこうという
 そういうこの映画の姿勢というのは示していると思います」

今日はありがとうございます。ちょっと教えていただきたいのですけど、
香港のアイデンティティということを強調した映画だと思うんですけど、
そもそも香港のアイデンティティというのはどういうものなのか
メディアとかで報道されるのは、経済的なことを重要視して中国になる前に
皆外国に行ってしまったというのがかなり多かったと言われていて
でも、雨傘革命が起きたり若い方が中心でやられていたと思うんですけど
各世代色んなアイデンティティをもっている中で
ひとつだけ、香港としてのアイデンティティというのは
どういうものがあるのかなというのを教えて下さい。

「香港アイデンティティという言葉を強く言い始めたのは
 当然のことながら返還後なんですね。
 つまり、中国の国に返還されて以降、香港は中国ではない
 という気持ちを皆、香港に住んでいる人は持つようになりました。
 これが、どこが一番違うんだというのは
 香港の核心的価値というのを言うようになりました。
 つまり、香港の核心的価値というのは一言で言うと法治ですね。
 法の支配、法の下の平等、権利というのが用意されている
 これが香港アイデンティティ。
 実は中国は法治がありません。中国は法律の上に共産党があります。
 要するに中国は法律というものを支配のために利用している
 共産党の支配のために法律を利用しているのです。
 香港というのは西側のいわゆる法治の概念で
 これを根本的な価値だという風に核心価値だと、
 絶対譲らないという風に皆、共通していると思っています。
 そういう価値感を共有する人たち、しかも、香港で生きている人たち
 これがたぶん、大前提のアイデンティティだと思います。
 ただその中で、さっきも言ったように、たとえば移民してきて
 中国から流れ込んできた場合、いつから来た人たちが香港人なのかという
 そこら辺については、かなり激しい見解の違いがあります。
 ただ、私は香港人であると、中国人ではない、なぜなら
 私は法治を受け入れるからだという考え方を
 持っているのが香港アイデンティティなのかと思います」

ありがとうございます、腑に落ちました。

まだたくさん意見をしたいんですけど申し訳ないのですが時間がきました。
先程、福島さんがおすすめしましたようにロビーで福島さんの本を販売しております。

「(本の宣伝ばかりで)失礼します。
 香港の雨傘革命、あるいは台湾の運動など、
 中国の共産党体制に対しての中華圏の若者たちの抵抗運動などを
 まとめた本が<SEALDsと東アジア若者デモってなんだ>です。
 残念ながらSEALDsは中国に対する抵抗運動から発生した
 若者の政治運動じゃないんですけど、ちょっと比較してみると
 面白いことも書いています。もうひとつが<中国が滅びる日>という
 なぜ中華圏の若者がこんなに中国に抵抗しているのかということを書いています」

購入していただいた方には福島さんのサイン会もやりますので
ぜひよろしかったら。それではどうも長い間、ありがとうございました。
最後に福島さんにお花を。

拍手。





映画を観終わった後、福島さんの話を聞きながら
カーウァイの『2046』という映画タイトルが頭に浮かぶ。
2046年の香港はどうなっているのだろう。
個人的にはふたつめの標本の話から涙が溢れてきて
そのまま、最後の話まで、涙がじわじわしていた。
声なき声、傘の燃えかす。忘れられない断片的なシーンの後で
明確な福島さんの話を聞くと、これからの香港、
そして、それは他人事じゃない・・と、胸がしめつけられてしまった。
それでも、この映画は悲観だけではない。
確かに不安が的中し、そこへ加速していくようでも
人と人は人と人でしかない。国はひとりひとりの人で成り立つのだから。
だから流されないように。最後の話のあの子供のように
自分の頭で考えて、シンプルなのにとても簡単なのに
すぐに手放してしまいそうな良心を決して手放さないように・・
そんな風に思いながら、福島さんの本は買わずに後にした(すんません・笑)
帰りのエレベーターの中で、眼鏡を外したボンヤリした
はっきりしない観えない視界の中で色んな人たちの輪郭を見つめる。
皆、この映画を観に来て帰る人達なのだと思ったら勝手に愛しくなった。

カテゴリー:くいしんぼうシネマ

Author.ガオ
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 熱燗 電気ブラン ジンジャエール
 夕陽 冬の海 路地 ガリガリくん
 ニャンコの寝息 ワンコの笑顔
 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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