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夢の劇 ドリーム・プレイ (KAAT)



















KAATには大スタジオ、中スタジオ、そして、ホールという三個のハコがある。
大スタジオは200席前後の座席もとなりの人と繋がっている小劇場タイプ。
中スタジオは普段稽古場として使いつつも客席を作り劇空間にもなる場所、
そして、ホールは1200席前後ある三階席まである大きな劇場。
そこで一番大きなホールのステージ上に客席をコの字にして作り、
まるで中スタジオで観ているような舞台と客席の近さという
贅沢な空間で観せてくれた「夢の劇 ドリーム・プレイ」
劇が始まった瞬間、サーカス小屋に迷い込んでしまったように
あっという間に異空間に連れて行ってくれた。
子供の頃にどこかに置いてきたワクワク感やドキドキ感、
夜のお祭りのような、壊れた劇場の中に入ってしまったような
まさに夢の中でこっそりと何かを覗いているような気持ちになる。
素晴らしい美術や生演奏、バレエやホールダンスなど様々な生のダンス、
そして、生の演技。これらが魅力的に調和してとてもロマンチック。
寓話的で哲学と説教的な感じなのに、最後まで退屈することがない。

「時間には翼がついているのよ」
ほのかに切なくて美しい言葉が重なって行く中で
大切な何かがサクサクと皮膚の隅っこからささってくる。
そう、時間は限られている、明日やる、今度、次では遅いのだ。
今、この時を大切に、正直に、思いやりを持って過ごさなければ
生まれてきた意味がないような気もしてくる。

「思っていたほどじゃなかった」
思えばアタシも何度もそんなことを思ったことがある。
素敵な何かがあると思って、いざ現実にそのことが叶うと
思っていたのとは少し違っていて、それは特に素敵でもなんでもなかったこと。
そういうことの繰り返しの中で、アグネスがいつも言っていた「人間って哀れね」
ひとりひとりはいい人なのに、団体になると罪のない人をリンチする人間たち。
悪い人がいなければ、善い人を勝手に悪い人にして、責める。
なぜなのだろう、どうして、何度も哀れな事を繰り返すのだろう。
人生はあっという間。生まれ、死んでいくことの繰り返し。
貧富の差があり、差別があり、平等とはかけ離れた時間を過ごす人間たち。
そんな不平等な日々の中で、時間と死だけは誰にでも平等。
だったら今、生きているのなら、同じ時間を過ごすなら、
憎むよりも助けあえたらいいのに、同じ時間を生きるなら
同じ時を過ごすのなら、同じ時を生きるのなら・・・そんな風に
すぐに忘れてしまう当り前のことを、ぐるぐるぐるぐる思わせてくれた。

ラストにアグネスが「サヨナラ」と詩人に告げた瞬間、
アタシの胸も張り裂けそうになり思わず落涙。
そのアグネスを演じた早見ゆかりさんを今回、初めて観たのだけれど、
この舞台がほぼ初舞台だったらしくそれを知ってビックリしました。
まさにアグネスを演じるための人だった。
瑞々しくて華があり、どこかのんびりしている優しい美しさがあり
滑舌もとてもきれいに言葉を観客に届けてくれた。
他の演者たちも素晴らしく、特に長塚さんはやっぱり、好き。
弁護士の時の悲観的で皮肉的な物言いが絶妙で、
彼が抱く人間に対しての不信感や苛立ちが手にとるように伝わってきた。
そして、ダンサーたちも演者としてちゃんと存在していて皆さん素敵だったけれど、
特に座っていた位置からとても近くで観たのもあり
ホールダンサーの方の素晴らしさが目に焼き付いている。

カオスなのだけれど洗練された美しさのある2時間と少しの夢時間。
それを形にする白井さんってすごいなあ。





<原作>
ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ

<構成・演出>
白井晃

<台本>
長塚圭史

<出演>
早見あかり
田中圭
江口のりこ
玉置玲央
那須佐代子
森山開次
山崎一
長塚圭史
白井晃
久保貫太郎
今里真
宮河愛一郎
高瀬瑶子
坂井絢香
引間文佳
   
<振付>
森山開次

<作曲・編曲・演奏>
阿部海太郎
生駒祐子
清水恒輔
トウヤマタケオ

<美術>
小竹信節

<照明>
大石真一郎

<音響>
徳久礼子

<衣裳デザイン>
伊藤佐智子

<ヘアメイク>
稲垣亮弐

<翻訳>
小宮山智津子

<音楽ディレクション>
mama!milk

<演出助手>
桐山知也

<振付アシスタント>
美木マサオ

<舞台監督>
山口英峰

<プロダクション・マネージャー>
安田武司

<技術監督>
堀内真人

<制作協力>
ゴーチ・ブラザーズ
オフィス・REN

<宣伝美術>
近藤一弥

<宣伝写真>
二石友希

<宣伝スタイリング>
伊藤佐智子

<宣伝ヘアメイク>
稲垣亮弐

<神奈川公演、企画製作・主催>
KAAT神奈川芸術劇場

<松本公演、主催>
一般財団法人松本市芸術文化振興財団

<兵庫公演、主催>
兵庫県立芸術文化センター

<あらすじ>
神インドラの娘アグネスが、雲の上に立ち眼下の世界=地球を見ている。そこは、月に照らされた陰気な世界。父はアグネスに「地上へ降りて人々の不満や嘆きを見聞きしてこい」と娘を送り出す。地上に降り立ったアグネスを待ちうけていたのは、人生に惑う様々な人間たち。恋人を一途に待ち続ける士官、来る日も来る日も劇場の入口に座り続ける楽屋番の女、自分が扱った犯罪・悪行を反映し苦悶に満ちた弁護士などなど。嘆き、日間に暮れながらもアグネスは「人間の存在の痛み」を経験していく。そこに詩人が現れ、彼女は自身の世界へと還る勇気を取り戻す。アグネスが炎ととともに天空へ戻る瞬間、それは人の夢の終わりか、あるいは新たな夢の始まりなのか。

カテゴリー:舞台観察記

Author.ガオ
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 【好き】
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 レモンケーキ 春巻 豆大福
 五目焼きそば タマゴサンド
 熱燗 電気ブラン ジンジャエール
 夕陽 冬の海 路地 ガリガリくん
 ニャンコの寝息 ワンコの笑顔
 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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