0512345678910111213141516171819202122232425262728293007

アルカディア (シアターコクーン)










とても惹かれたセリフがある。

「ライスプディングにジャムをひと匙いれてかき混ぜると
 流星みたいに赤い尾を引く。
 でも逆にかき混ぜてもジャムは元に戻らない。
 どんどんピンク色になっていく。変だと思わない?」

「思います、混沌から混沌が生まれ
 更に混沌になって完全なピンク色になる。
 もうそれ以上は変わらないし変えられない」

これは19世紀のトマシナ・カヴァリーという天才少女と
家庭教師のセプティマスの会話。
このセリフがずっと心に残っていたのもあり、
ラストシーンでのトマシナとセプティマスのワルツの円が
混沌のように思えてきて、それはハンナとガスのワルツにも繋がる。
すべてが混ざりあい時空を越えるのだろうか。
難しいことはわからないけれど、このラストシーンがとても美しかった。
この後、きっとトマシナはあの燃やしてしまったセプティマスの手紙のように
炎の色一色になってしまうのだろうと思うと切なくなる。
まさにライスプディングにおとしたジャムがピンク色になって
混ざりきってしまったように決して元には戻らない。
過去には戻れない。未来にも行けない。でも繋がっている。
200年経っても200年前のことを思うという面白さもある。
そんなに大きな意味ではなかったものでも
解釈のしかたによって、とんでもないものになってしまう。
そうか、ジャムの逆回しは時計と同じなのか・・
そんな風に思いながら色々後から勝手に思える味わいがある戯曲。

それにしてもセプティマス役の井上さん、
実は彼が生で演技するのを初めて観たのだけれど
滑舌がよくて淀みなく声が響き佇まいもよく、
器用に林檎をナイフで削り口に含む姿や、細かい所作も素晴らしく
彼が人気があるのがわかる気がしました。
正直、昔、彼を某映画で観た時は、印象がイマイチだったので
本当はこんなに素晴らしい俳優だったのだ・・と感動しました。

その他、寺島さんの透明感、趣里さんの瑞々しさ、神野さんの安定感、
浦井さんもよかったし、概ね皆さんヨカッタ印象なのだけれど・・・
うう、アタシが一番大好きで、彼が出ていたからこそ楽しみだった
詩人バイロンの研究家バーナード役の堤さんがですね、
なんか、調子悪かったの、滑舌が悪かったしセリフかんでいて(泣)
いい俳優なんだよ、本当に久しぶりに観た「三人姉妹」の時は素晴らしかったの。
「才原警部」は演劇というよりコントと歌と踊りだったので
(そのコントにあんまり笑えなかった少数派です・汗)
なので、「アルカディア」とても楽しみだったのよ。
どうしたん、つっつんさん!!けど、華はあるんだよ、やっぱり。
ハンナにキス要求するのもチャーミングだったし眼鏡姿に萌えましたし(おい・笑)
けれども、言葉が大切な芝居だから、特に説明セリフは淀みなく伝えてくれないと
そこで流れが止まってしまうのだよね。計算してのことなのだろうか。
確かにバーナードは変化球のように土足でやってくるようなヤツなので
流れが変わるというのはいいけれど、流れが変わるのではなくて
流れが止まってしまっていたので、せっかく入りこんでいた演劇空間から
ふっと現実に戻されてしまい、純粋に楽しめない。
とはいえ、初日だったので緊張していただけなのかもしれない。
彼のようなベテランでも緊張するに決まっている、
だから、次に観に行く時には・・と言ってみたいのだけれど
チケット買えなかったんです・・涙。本当はこなれてきた頃の中日過ぎとかに
もう一度観ることが出来たら・・と思うのだけれども、この一度だけ。
やはり、舞台は儚い。そうして、次はない。映像のように残しておけない。
一期一会。二度と観ることが出来ない。。





<作>
トム・ストッパード

<翻訳>
小田島恒志

<演出>
栗山民也

<出演>
堤真一
寺島しのぶ
井上芳雄
趣里
浦井健治
安西慎太郎
初音映莉子
山中崇
迫田孝也
塚本幸男
春海四方
神野三鈴

<美術>
伊藤雅子

<照明>
服部基

<音楽>
国広和毅

<音響>
井上正弘

<衣裳>
前田文子

<ヘアメイク>
河村陽子

<振付>
田井中智子

<演出助手>
豊田めぐみ

<舞台監督>
瀧原寿子

<プロデューサー>
北村明子

<演出助手>
豊田めぐみ

<美術助手>
久保田悠人

<照明操作>
小沢淳
杉尾絵理

<音響操作>
渡邉卓也

<現場ヘアメイク>
小池美津子

<舞台部>
久保勲生
織戸雅也
櫻井典子
窪田由紀
対馬和美

<制作>
(進行)
土井さや佳
鈴木瑛恵
海老名あづき
吉澤尚子
石野奈穂子
(標券)
笠間美穂
(株)サンライズプロモーション東京
(広報)
西村聖子

<発声指導>
池内美奈子

<プロンプター>
新上貴美(演劇集団円)

<大道具制作>
(株)俳優座劇場舞台美術部(石元俊二)

<小道具>
高津装飾美術(株)(天野雄太)

<特殊小道具>
(有)アトリエカオス(白石敦久)

<衣裳製作>
松竹衣裳(株)(清水崇子・成田有加)
アトリエ・プロペラ(安川美咲)
レイ・デザインラボ(株)(前田禮子)

<履物>
(株)神田屋(大石雅章)

<コスメ協力>
チャコット(株)
MiMC

<運搬>
マイド

<協力>
(株)ライティングカンパニーあかり組
(有)オフィス新音
(株)DaB
(有)N.E.T. ON
芸能花伝舎(稽古場)
森ノ宮ピロティホール
渡辺みのり

<上演権コーディネート>
マーチン・R.P・ネイラー

<宣伝美術>
平田好

<舞台写真・パンフレット撮影>
加藤孝

<パンフレットヘアメイク>
奥山信次(barrel)
片桐直樹・藤原羊二(EFFECTOR)

<パンフレット編集・取材>
市川安紀(アルカディア社)

<パンフレット取材>
尾上そら
上野紀子

<ポスター貼り>
ポスターハリス・カンパニー

<印刷>
(有)深雪印刷
(株)三交社

<東京公演提携>
Bunkamura

<大阪公演主催>
FM COCOLO
FM802

<大阪公演運営協力>
サンライズプロモーション大阪

<ポスター・チラシ画>
グスタフ・クリムト

<企画・製作>
シス・カンパニー

<あらすじ>
著名な詩人バイロンも長逗留している、19世紀の英国の豪奢な貴族の屋敷。その屋敷の令嬢トマシナ・カヴァリー(趣里)は、住み込みの家庭教師セプティマス・ホッジ(井上芳雄)に付いて勉強中の早熟な少女。しかし、天才的な頭脳の持ち主の彼女の旺盛な好奇心には、年上のセプティマスも歯が立たない。あるとき、屋敷の庭園の手直し用の設計図に、トマシナは何の気なしにある書き込みをしてしまう。その何気ない悪戯書きは、約200年後の世界に大きな波紋を広げていく。そして、約200年の時を経た現代。同じカヴァリー家の屋敷の同じ居間に、過去の屋敷や庭園、とりわけ残された書き込みのことを熱心に調べるベスト・セラー作家ハンナ(寺島しのぶ)の姿があった。そこに、バイロン研究家のバーナード(堤真一)が加わり、ライバル同士の研究競争が過熱!その争いは、カヴァリー家の末裔ヴァレンタイン(浦井健治)、クロエ(初音映莉子)兄妹を巻き込み、やがて・・

カテゴリー:舞台観察記

Author.ガオ
cmaukie home
 【好き】
 映画 演劇 SYCYCD 
 サッカー 音楽 写真 散歩 本
 バニラアイス シュウマイ
 レモンケーキ 春巻 豆大福
 五目焼きそば タマゴサンド
 熱燗 電気ブラン ジンジャエール
 夕陽 冬の海 路地 ガリガリくん
 ニャンコの寝息 ワンコの笑顔
 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




いつでも里親募集中
東北地方太平洋沖地震の支援に際してご注意ください 1
Google Crisis Response