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グッドバイ (KAAT×KERA・MAP)

























9月12日から27日まで世田谷パブリックシアターでの公演を終え
地方公演の一番最後、10月の半ばに横浜に来てくれました。大千秋楽です。
でも、その横浜のKAATでの公演が1階から3階席まで一律8000円で
これはあんまりではないか・・どういうことなのだろうと
グズグズ迷っているうちに結局3階席になってしまったのでした。
だって普通は一番よく観える1階席が一番高くて2階席、3階席と
観えにくさとともに、少しずつ安くなるというものだというのに
どうなっているのさ、KAAT神奈川芸術劇場さんよ・・って感じで
それでなくてもストレートプレイはもうちょっと小さなハコで
大スタジオくらいが一番楽しめる広さだというのに・・と思いながら
深い井戸の底を覗くように遠くの板の上をぼんやり眺め開演を待つ。

そして、いざ始まってみたら、彼是マイナスなことを思っていた
開演前の時がまるで嘘のように気がつけば笑いの渦が
剛速球で何度も何度も勢いよく遠くまで飛んできて嬉しい忙しさなのだった。
皆の笑い声が両方の肩からゴン!と体に入ってくるみたいに
そして、その笑い声がホール全体を波打つように、
ぐわんぐわんとなり、まるで眼に観えるような感覚だったから
最後にそれが拍手になって終わってしまうのだと思った時に
なんだか泣きそうになってしまった。終わってほしくなかったから。

話はよくよく考えてみたら思いのほかシリアスなのに
笑いが小気味よくとまらない。ドタバタでもなくコテコテでもなく
照明や場面転換も楽しく俳優たちのアンサンブルが絶妙の上質で粋なコメディ。
本当に演者の方たちはひとり残らず全員素晴らしく、その中でも特に
喰いしんぼうで美人で不器用なキヌ子役の小池栄子さんと
幸子ちゃん役の池谷のぶえさんが輝きまくっていたのでした。
というか池谷さんは幸子ちゃん以外にも正ちゃん、葬儀参列者の妻、
ホステスさん、お婆さん、易者さんと実に色んな人たちを怪演。
彼女の声ってとても綺麗で遠くまで伝わってくるから素敵です。

昭和23年(1948年)に太宰治さんが新聞連載を予定し
13回分まで書いて入水自殺をして絶筆となってしまった小説「グッド・バイ」を
ケラさんが絶妙に楽しく傑作にして観せて(魅せて)くれた「グッドバイ」
カテコにも出てきてくれたケラさん。そして最後は仲村トオルさんを中心に
観客にむけてグッドバイ!をしてくれたのでした。

いつまでも笑いの残り香が舞っているように温かな思いになる。
楽しかった・・その言葉は軽やかでいて深いのだ。
笑い飛ばすにはもったいなくてあの波打つ笑いの
鼓動の欠片を心の両手で大切にしっかりつかんでいます。
幸せな観劇時間でした、ほんとうに。ありがとうございました。




<原作>
太宰治

<脚本・演出>
ケラリーノ・サンドロヴィッチ

<出演>
仲村トオル
小池栄子
水野美紀
夏帆
門脇麦
町田マリー
緒川たまき
萩原聖人
池谷のぶえ
野間口徹
山崎一

<振付>
小野寺修二

<美術>
中根聡子

<照明>
関口裕二

<音楽>
鈴水光介

<音響>
水越佳一

<映像>
上田大樹

<衣裳>
宮本宣子

<着物監修>
豆千代

<ヘアメイク>
宮内宏明

<演出助手>
相田剛志

<舞台監督>
菅野将機

<宣伝美術>
榎本太郎

<宣伝写真>
加藤孝

<宣伝ヘアメイク>
山本絵里子
浅沼靖

<宣伝衣裳協力>
東京衣裳

<印刷>
深雪印刷

<プロデューサー>
高橋典子

<制作>
青野華生子
川上美幸
川上雄一郎
仲谷正資

<票券>
北里美織子

<広報宣伝>
米田律子

<製作>
北牧裕幸

<企画・製作>
キューブ

<提携>
(公財)せたがや文化財団
世田谷パブリックシアター
(東京公演)

<提携>
平成27年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
(北九州・新潟・大阪・松本・横浜公演)

<あらすじ>
田舎に妻子を残し単身東京に暮らす男・田島周二は、雑誌編集者という体裁の裏で闇商売でしこたま儲け、 はたまた何人もの愛人を抱えているという不埒な男。 しかし一転、妻子を呼び寄せ闇商売から足を洗い、真面目に生きようと愛人たちと別れる決心をするが・・

カテゴリー:舞台観察記

Author.ガオ
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 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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