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桜の園

©俳優座「桜の園」


先日CSで観たいドラマの第一回目が無料で放送されていたので
録画しようとした時に、そのすぐ後の時間も無料で俳優座の
「桜の園」が放送されていたので一緒に録画しておいたのを観てみました。
これは今年の1月に劇団俳優座70周年記念公演として
六本木俳優座劇場で上演さればかりの新しい「桜の園」です。

俳優座の「桜の園」は1951年が初演で、
その時のラネーフスカヤ夫人は東山千栄子さんだったそうですが
恥ずかしながら、アタシは東山さんというと小津監督の
『東京物語』での優しそうなお婆ちゃんのイメージしかなくて、
ラネーフスカヤ夫人と言われても想像がつかなかったのだけれど
ちょっとググってみたら東山さんはモスクワで暮らしていた時があって
その時にモスクワ芸術座の舞台「桜の園」を観て感激して
ロシア革命の影響で日本に帰ってきてからも築地小劇場から
俳優座公演までラネーフスカヤ夫人を1927年から1963年まで演じた?
す、すごい・・彼女の当たり役だったそうなのですよ。観てみたい・・
映像記録は残っていないのでせうか。うわぁ、観たいなあ・・!

そして、今回は東山さんがラネーフスカヤ夫人の時にアーニャ役として
出演していた岩崎加根子さんがラネーフスカヤ夫人だそうです。
そう思うと、歴史が半端ない。その岩崎さんのラネーフスカヤ夫人は
ちょっとふんわりとした温かな感じのする感じがあって素敵だった。
言葉もすらすらと聞きやすくて、すでに体の一部になっているようだった。
金銭感覚がわかっていない感じも、自然に受け入れることが出来るし
死んでしまった子供のこともあるし、逆にこんな感じになってしまった彼女が
どことなく気の毒に思えてしまった。でも結局自分で自分のクビをしめてしまう。
だって、ロパーヒンが何度も何度も桜の園を手放さなくてもすむ方法を
ラネーフスカヤ夫人に言うのだけれど、なんだかんだと聞く耳をもたなくて
というより現実を受け入れられなくて、ついには彼自身が落札してしまう。
そのロバーヒンは桜の園を手にいれるという・・喜びながらも、
どこか申し訳ないという感じもあり、だけれど、子供の頃から貧しくて
バカにされ傷つけられてきた彼が、ついに手に入れたぞ!という感じで
喜びを隠さない場面はどこか爽快感もあり、演出や、演じてくれた
千賀さんの感じもあるのかロバーヒンよかったね!って
思わず言ってあげたくなるものがあった。でも、ワーリャとの場面は
じれったいというか、そうだよね、チェーホフはいつもそうだったよねと
「三人姉妹」と同じで、現実を受け入れることが出来ない人たちの退廃と、
結局何かが封鎖して結ばれない男と女と。
忘れられたフィールスの向こう側から桜の樹を伐採する音がゴンゴン響く。
すべてをなくしても旅立てる場所があるのなら、生きていかないと。
桜の園はもうないけれど。あの輝かしい日々は二度と来ないけれど。

俳優座の新しい「桜の園」は奇をてらわない感じで、
とてもわかりやすく、最後まで楽しく観ることができた。
観客に苦労させない優しい芝居の良さを味わえて、
これはこれで、すごく素敵なことだなと思いました。





<作>
アントン・チェーホフ

<演出>
川口啓史

<出演>
岩崎加根子(ラネーフスカヤ)
森根三和(アーニャ)
桂ゆめ(ワーリャ)
小笠原良知(ガーエフ)
千賀功嗣(ロパーヒン)
志村史人(トロフィーモフ)
河原崎次郎(フィールス)
長浜奈津子(シャルロッタ)
児玉泰次
河内浩
佐藤礼菜
齋藤隆介
神山寛
中寛三
飯原道代
田中考宗
森永友基
笠井幽夏子
藤田一真
髙澤歩美
石井伸一

<訳>
湯浅芳子

<美術>
松井るみ

<照明>
石島奈津子

<音楽>
林光

<効果>
田村悳

<衣裳>
石川君子

<振付>
高田麻名

<舞台監督>
石井道隆

<制作>
下哲也
三好麻美

<主催>
(有)劇団俳優座

<あらすじ>
幼い息子のグリーシャが川で溺れてからまもなく、ラネーフスカヤ(岩崎加根子)は逃れるように国外へ去った。5年後、娘アーニャ(森根三輪)の迎えを受けてラネーフスカヤは身も心も疲れきってパリから帰郷する。果てしなく広がるさくらんぼ畑や生まれ育った古い屋敷は夫人の心をなごませ、長らく夫人の帰郷を待ちわびていた家族や使用人たちの暖かい出迎えに、夫人は長旅の疲れを癒される。しかし、夫人の全財産である領地は、長年の勝手気ままな生活と杜撰な管理のために、いまや莫大な借金のカタにとられ競売に付されようとしていた。(上演:2015年1月15日~25日、六本木俳優座劇場)

カテゴリー:舞台観察記

Author.ガオ
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★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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