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わが闇

©ナイロン100℃「わが闇」


2013年7月に東京・本多劇場で上演され収録された
劇団ナイロン100℃の結成20周年記念企画第三弾「わが闇」を
先日CSのWOWOWチャンネルで放送してくれたので観てみました。

観終わった後、一切の無駄がないことにビビってしまった。
生の舞台で観なかったことを後悔してしまったくらい。
登場人物のすべてに闇がある。皆それぞれ色々ある。
その、皆それぞれの闇がドロドロしていたりするんだけれど
そこがまた人間くさくていいのだ。

途中、アタシは三度ほど涙が溢れてきて仕方がなくなる。
一幕終わりに三姉妹たちの姿を滝本がカメラで撮る所、
そうして、なぜだか三女類子が次女艶子の夫・寅夫が通帳と印鑑を
盗み出したのを発見し、制止しようとしたら犯されそうになり・・というか
実際殴られたりと大変な目にあい、そこに居合わせた編集者の
皆藤(立子に片想い)が寅夫を追い払って通帳と印鑑を取り戻し助けてくれて
「警察に通報しますか?いいんですか、あんな酷いことをされて」となった時に
「いいよ、お姉ちゃんたちには言わないで。アタシがこれ金庫に戻しておけば
 寅夫さんが逃げ出したってだけで済む話なんだから。 アタシだって、
 たまにはギャーギャー言わずにここに(胸の奥心ん中)閉まっておくのよ」の所、
正直、寅夫はどうしようもなくイヤなヤツ。だけれど、そんなヤツにも
逃げ道を作ってあげているKERAさんの優しさを感じると同時に
表面ではいつも騒いでいてお酒ばかり飲んでヘラヘラしている類子にも
姉たちへの気遣いのような思いがあるのだという印象を持つことが出来て
すべてのキャラへの愛を感じたのだった。思えば寅夫も
自分の不注意の火事で幼い子供に死なれている人なのだった。
そこから歯車が狂っていったのかと思うと彼もまた闇をかかえた人なのだ。
手紙の件にしても、金目当てになっているのも、許せないけれど
それでもそんな人にもこの物語は隙間を作ってあげていることに、
アタシにはとうてい持てない許す勇気みたいなものを、
この場面に感じて思わず泣きそうになったのかもしれない。

そして、やはり、最後のアルバムの所。映画の録画したビデオの
置き忘れのすったもんだの末、あのアルバムの場面になる。
写真一枚一枚をめくって裏側の言葉たちにふれるあの瞬間。
わだかまりがあったと思われた立子と父だったけれど、
互いに不器用だっただけで互いが思いあっていたことがわかる。
彼女は失明していく。闇そのものを生きて行くことになる。
だけれど、その前に灯を知ることが出来た。
自分が愛されていたのだと知る事が出来た。
だから、きっと、これからの闇は怖くない。誰も否定されていない。
皆が皆それぞれダメなとこあるのに、誰も否定されていなかった。

三姉妹の母の血が飛び散る自殺から、ここに到着するとは思わなかった。
笑いや憎悪の中にこれほど温かな優しさに辿りつくなんて。
使い古された言葉だけれど、でも、これしかないです、感動しました。
本当に感動しました。 心から。





<作・演出>
ケラリーノ・サンドロヴィッチ

<出演>
犬山イヌコ
峯村リエ
坂井真紀
岡田義徳
大倉孝二
長谷川朝晴
みのすけ
三宅弘城
松永玲子
廣川三憲
長田奈麻
吉増裕士
喜安浩平
皆戸麻衣

<舞台監督>
福澤諭志+至福団

<照明>
関口裕二

<美術>
中根聡子

<音響>
水越佳一

<映像>
上田大樹

<演出助手>
山田美紀

<スタイリスト>
久保奈緒美

<ヘアメイク>
安澤千草

<大道具>
唐浩輝

<記録スチル>
引地信彦

<大道具製作>
C-COM舞台装置
テルミック
美術工房 拓人

<小道具>
高津映画装飾

<特殊効果>
特効

<運搬>
マイド

<宣伝美術>
(C2デザイン)
坂村健次
樋口大
鈴木健朗
岡崎智子

<宣伝写真>
江隅麗志

<宣伝ヘアメイク>
山下まきえ
山本絵里子

<宣伝衣裳協力>
NAKED Traumen

<宣伝物進行>
石井美幸

<制作助手>
市川美紀
土井さや佳
寺地友子
松田美緒

<制作>
花澤理恵

<企画・製作>
(株)シリーウォーク


<あらすじ>
1976年。小説家・柏木伸彦(廣川三憲)は伯母から家を譲られ、妻・基子(松永玲子/2役)、7歳の長女立子(犬山イヌコ)、 5歳の次女艶子(峯村リエ)、2歳の三女類子(坂井真紀)と御五色村に転居した。そこに伸彦のファン、三好(三宅弘城)が転がり込む。立子は10歳で文壇にデビューし才能を開花させる。一方、基子は新生活に馴染めず別居、伸彦から離婚を切り出され自殺する。 半年後、伸彦は交際する志田潤(長田奈麻)と入籍した。2007年。柏木家に伸彦のドキュメント映画撮影で、映像作家の滝本(岡田義徳)と助手の大鍋(大倉孝二)が訪れる。 家には寝たきりの伸彦、立子、三好、艶子と夫の寅夫(みのすけ)。そこへ女優になり、失踪騒ぎを起こした類子が戻ってくる。 さらに編集者・皆藤(長谷川朝晴)と妹みどり(皆戸麻衣)、プロデューサー・飛石(松永/2役)と部下の田村(喜安浩平)、 潤と再婚相手(吉増裕士)が出入りする中、三姉妹の思いが明らかになっていく。

カテゴリー:舞台観察記

Author.ガオ
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 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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