0512345678910111213141516171819202122232425262728293007

三人姉妹 (KAAT×地点)








演劇というのは面白い。同じ戯曲を
違う演出と俳優と劇場空間で観るとこんなに違うものなのか・・
という演劇のもつ自由さを思い知りました。
KERAさんの「三人姉妹」が奇をてらわずに戯曲を真正面から抱きしめて
本来の滑稽さや残酷さ閉塞のようなものを極上の演者たちで
アタシたち観客に手渡してくれたのに対して
地点の三浦さん演出の「三人姉妹」は奇をてらいまくっていて、
別に受けとっても受けとらなくても、そっちの好きにしていいよ~
という変化球を投げてきてくれたのでした。

上演場所である中スタジオに入るとそこには小さな白樺の木が
天井からたくさん逆さまにぶら下がっていました。
客席に腰掛けると透明の長い壁が目の前に広がります。
その壁には白いパウダーのようなものがついていて
演者たちが何かをするたびに白い粉がぱっと広がり様々な表情をみせます。
壁は硝子のようなものなので鏡のようになり彼らの背中が観えたり、
観客たちの姿がぼんやり観えたりしてシンプルだけれど美しい空間でした。

演者たちは終始床を這いずりまわり、句読点のような不思議な話方で
ねじりあうような仕草というか泥レスで疲れた人たちのような雰囲気で
なんというか、すごく懐かしい・・こういうの・・(笑)
その昔、若い時に池袋あたりで観た小劇団の謎チックな芝居のようで
アタシはある意味、そういうのを観るのが遠い昔に飽きてしまっているので
地点版「三人姉妹」のノリになかなかノレず、どうしよー
このまま最後までこのノリなのか・・・・と、焦りつつも
透明の壁が客席ギリギリまでやってきて演者たちが目の前で
句読点のような話方をやめてちゃんと声を出してくれた時に
飽きていた気持ちが少し和らぎました。

あとはヴェルシーニン役の小林さんが自分のお腹を切って
自分の内臓食べる仕草をした時に、あぁ!そうか、
ヴェルシーニンは確かにそういう人だよね!というのが
手にとるように分かって、ちょっと感動したのでした。
そして、やはり喉がいつも乾いているのですね。
男たちは疲れ果て地にぐったりして女たちは疲れても立っている。

観終わった直後に感じたことは演者の方たちの
苦労や体力消耗は凄かったろう・・・・と思ったことでした。
そして、チェーホフというブラックコーヒーに
砂糖やミルクだけじゃなくて胡椒や塩や醤油を混ぜ
自由なスプーンでかき混ぜて出してくれたものを
躊躇なく飲めるか、少しずつ飲むか、目をつぶって飲むか、
飲んでみたらなかなか悪くない味ねと思うか
うげっと吐きだしてしまうか・・アタシはどうだろう。
実はそのどれでもなかったのでした。投げてくれた変化球は
受けとる前に観えない透明の壁にぶつかりバウンドしてしまった気分だった。
その壁の向こうで自分たちだけが楽しんでいる人たちを
ぼんやり眺めていた、そんな気分でいっぱいでした。




<作>
アントン・チェーホフ

<演出>
三浦基

< 翻訳>
神西清

<出演>
安部聡子
窪田史恵
河野早紀
石田大
小林洋平
伊東沙保
小河原康二
岸本昌也
田中祐気

<舞台美術>
杉山至

<衣裳デザイン>
コレット・ウシャール

<音響デザイン>
徳久礼子

<照明デザイン>
山森栄治

<舞台監督>
小金井伸一

<プロダクション・マネージャー>
安田武司

<技術監督>
堀内真人

<宣伝美術>
松本久木(MATSUMOTOKOBO Ltd.)

<制作>
伊藤文一
小森あや
田嶋結菜

<広報>
小沼知子
久田絢子

<営業>
大沢清

<主催>
KAAT神奈川芸術劇場

<あらすじ>
県庁のある町でのこと。オーリガ(安部聡子)、マーシャ(窪田史恵)、イリーナ(河野早紀)の三人姉妹とアンドレイ(石田大)が暮らすプローゾロフ家。旅団長だった父親の一年前の葬儀の記憶もようやくうすれて、末娘のイリーナの「名の日」の祝いが開かれようとしている。春、まぶしい陽光のなか、軍人たちが祝いの会に集まってくる。旧知の中隊長ヴェルシーニン(小林洋平)の来訪が、三人姉妹にモスクワの記憶をよみがえらせる。やがては大学教授と期待されている長男のアンドレイとナターシャ(伊東沙保)の恋。家庭を持ち夫クルイギン(小河原康二)のいる次女マーシャと不幸な家庭生活を送るヴェルシーニンの実りのない恋。トゥーゼンバフ男爵(岸本昌也)のイリーナに対する片思いは、ソリョーヌイ(田中祐気)との対立を生む。アンドレイと結婚し、子供を生んだナターシャの俗悪さが次第に一家を支配する。学者への夢を捨て堕落してゆくアンドレイ。秋が深まりゆく頃、駐屯していた中隊は遠い新しい任地へと旅立っていく。マーシャとヴェルシーニンの別れ。退役してイリーナと新生活に踏み出そうとしていたトゥーゼンバフは、その矢先にソリョーヌイに決闘で撃ち殺される。軍楽隊の響きが遠ざかるなか、三人姉妹の「生きたい」という切実さを残して幕はおりる。

カテゴリー:舞台観察記

Author.ガオ
cmaukie home
 【好き】
 映画 演劇 SYCYCD 
 サッカー 音楽 写真 散歩 本
 バニラアイス シュウマイ
 レモンケーキ 春巻 豆大福
 五目焼きそば タマゴサンド
 熱燗 電気ブラン ジンジャエール
 夕陽 冬の海 路地 ガリガリくん
 ニャンコの寝息 ワンコの笑顔
 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




いつでも里親募集中
東北地方太平洋沖地震の支援に際してご注意ください 1
Google Crisis Response