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가모메 カルメギ(KAAT)









チラシと台本と半券


「カルメギ」はアントン・チェーホフの「かもめ」を1930年代後半の
日本の植民地支配下の朝鮮を背景に再構成した舞台です。

KAATには何度も行っているのだけれど中スタジオで観劇するのは初体験。
普段は稽古場としても使っているみたいなので座席表もなかったけれど、
中に入ってみたら両側に観客席が作られていて演者の方たちは中央に。
なので演者の方たちはもちろん観客たちも気が抜けない。
それこそ、途中でトイレに行きたくなったら目立ってしまって大変・・(笑)
でも字幕も観やすい位置にあり美術が工夫されていました。

廃墟のような、散らかった中央の底にある舞台に作家志望の青年リュ・ギヒョク、
その母親で女優のチャ・ヌンヒ、ギヒョクの伯父チャ・ヌンピョ、
ギヒョクの恋人ソン・スニム、日本人の小説家でヌンヒの恋人でもある塚口次郎、
ヌンピョの元部下イ・ジュング、ジュングの長女イ・エギョン、
ジュングの末娘イ・エジャ(アイコ)、日本人の教師の御手洗幸介、
医者のドクトル姜、看護士でドクトルの恋人のいさ子、朝鮮人の少年ミョギが
登場して去るを繰り返す。劇が始まる前からミョギはずっと舞台の上で
ウロウロして何かぶつぶつ言っている。突然、自己紹介をし始める。
その後、ギヒョクの伯父さんの元部下であるイ・ジョングが出てくると
パっと明るい感じになり、ひょろりと細くて背が高そうな体を座らせて
笑顔で拍手を催促する姿がとてもいい。一瞬で好きになりました。
カーテンコールに着替えて登場してきた時には別人のようにお洒落でビックリ。
たぶん、今回の出演者の中で一番の好みです。姿も声も表情も動き方も好きでした。
イ・ユンジェさんという第12言語演劇スタジオの俳優さんらしいです。

・・・って、

そんなことよりも、劇そのものはどうだったのだということですが(笑)
座席は劇場内の入口から左右好きな方に行って好きな場所に座ることが出来たので
左側の席に座りました。なので演者の方たちが向かって右側から登場して
左側に過ぎ去っていくという感じです。それが何回も続くので其々の関係性を
丁寧に観せるよりもブツブツと分断されているような・・なんだろう、
言葉にうまく言い表せないのだけれど、なかなかつかないライターの火のような
ショートしてしまう電気のような、なんともいえないぶつ切り感が続く中で
時折、冬ソナやK-POPなどの音楽やiPhoneが登場したり、いきなり司会風に
マイクを持って話をしたりと皆さんの笑いをさそっていたのだけれど、
アタシは逆にここで白けてしまってダメだった。あれだけ日本で流行っていた
冬ソナを観たことがないので、笑いのポイントがつかめないし(苦笑)
K-POPも知らないので・・ただ戯曲は面白いです。
最後も真面目にしめてくれるので演出の遊び心にノレるか、
白けてしまうかで気持ちが別れてしまうのかもしれません。

アフタートークでは演出の多田さんと一緒に脚本のソン・ギウンさんも
登場してくれたのですが彼は冬ソナとかK-POPの場面などは
脚本には書いていなかったというのでソンさんだけが演出したらどうなったろう・・
ちょっと観てみたいなとも思ったりしました。
興味深かったのは、字幕に年月日と韓国と日本でおきたことが文字で
どんどん出てくる部分があったのだけれど、その字幕演出は日本だけだったそうです。
韓国では年月日だけで歴史を知っていて何の日だったかを説明しなくても
理解してくれるから数字だけを出していったらしいのです。
そういう部分も互いの歴史への温度差があるのだと、しみじみ感じました。
で、ふと、観ながら思っていたのは、字幕。韓国で観た日本の方や
日本で観た韓国の方はわからないセリフがあったのではないだろうか。
なので、どちらでも、両方出してくれたらいいのになと思ったりしました。

とても期待していた分、肩すかしでガツンとこなかったというのもありつつも
華奢なミョギが軍服を着て過ぎ去る時には感じ入るものがあったし
アイコがカラスの鳴きまねをするところでは切なかったし、夢を追いかけ
ボロボロになったスニムの「ハツオンガオカシイ」「オドリコ」の所では落涙。
そう思うと、なんだかんだと言いながらも、確かに何かをもらえたのだ。
形ではない何かが心の中にとどまっているのだと思う。
だから、この劇に出逢ってよかった。観てよかったんだと思う。
それに、イ・ユンジェさんという俳優さんを知ることが出来たし(笑)
伯父さん役のクォン・テッキさんも存在感ありましたね。
結局、ちょっと高いなと思いつつ台本まで買ってしまった。
気になる言葉もあったし、ハングル語の文字が愛らしくて素敵だったから。




<原作>
アントン・チェーホフ

<演出>
多田淳之介

<脚本・演出協力>
ソン・ギウン

<出演>
イ・ガンウク
ソン・ヨジン
チョン・スジ
クォン・テッキ
佐藤誠
マ・ドゥヨン
イ・ユンジェ
チェ・ソヨン
オ・ミンジョン
夏目慎也
間野律子
佐山和泉

<翻訳>
石川樹里

<ドラマトゥルク>
イ・ホンイ

<照明>
岩城保

<舞台美術>
パク・サンボン

<舞台美術コーディネーター>
濱崎賢二

<舞台監督>
浦本佳亮+至福団

<音響>
泉田雄太

<衣裳>
キム・ジヨン

<小道具・メイク>
チャン・ギョンスク

<演出助手>
アン・スファン
ユン・ソンホ

<通訳>
イ・ジヨン
カン・ユミ

<宣伝美術>
宇野モンド

<制作>
服部悦子
キム・ヨアン
シン・ガウン(Doosan Art Center)

<制作補佐>
佐藤泰紀(急な坂スタジオ)(横浜公演)

<制作協力>
カン・ミンベク(第12言語演劇スタジオ)

<企画製作>
東京デスロック
一般社団法人unlock

<協力>
青年団 
(有)レトル
krei inc.
急な坂スタジオ
シバイエンジン
舞台美術研究工房 六尺堂
坂本商店

<主催>
一般社団法人unlock
東京デスロック
カルメギ・プロジェクト

<共催>
DOOSAN ART CENTER
第 12 言語演劇スタジオ

<提携>
北九州芸術劇場(北九州公演)
KAAT 神奈川芸術劇場(横浜公演)

<あらすじ>
植民地朝鮮の1936年。新しい芸術を求める文学青年リュ・ギヒョクは田舎の伯父チャ・ヌンピョの家で暮らしながら戯曲と小説を書いている。ギヒョクの母でありながら女優でもあるチャ・ヌンヒは東京から日本の小説家、塚口次郎と共にギヒョクのところへ訪れる。ある日の夕方、ギヒョクは家の近くにある湖でソン・スニムを主人公にした自分の戯曲を公演するが、ヌンヒと観客の反応に失望し公演を中止してしまう。それから数日後、ギヒョクは自分が愛しているスニムが塚口を好きなことに気がつき苦しみ自殺未遂をしてしまう。その他の人物の間にもさまざまな愛の感情が生まれる。そして彼らに戦争の影が近付いてくるのだった・・・

カテゴリー:舞台観察記

Author.ガオ
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★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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