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生きてるのは、おとなだけですか

映画のキャッチコピーは大切だと思う。
その短い言葉でその作品の印象を瞬時に与え
中にはそれによって劇場に足を運ばせる力になる時もある。
もちろん、キャッチコピーだけがよくて
肝心の映画は薄味というのも多いけれど
それでも、心に残る言葉たちは巧い短歌のようにいつまでも憶えている。
2004年に公開された是枝監督作の『誰も知らない』のキャッチコピー
「生きているのは、おとなだけですか」は
まさにその映画そのもののような言葉だった。
実際にあった巣鴨子供置き去り事件をベースに
4人の子供だけの日々を描ききった秀作。

その映画のキャッチコピーを昨日も思い出してしまった。
朝日新聞のデジタルの無料会員になっているので
毎日メールでその日の記事の目次を配信してくれる。
無料で閲覧できるのは3記事までなので
その中から読みたいものをログインして読ませてもらうのだけれど
18日の目次はとても辛く、それでも読まずにはいられず
今日になって、気持ちをふりしぼって読んだ。

<<母が去り、父も… 暗闇で尽きた命(6月18日)>>
父が部屋の戸に粘着テープ、監禁2年 厚木5歳致死容疑

自分の父親に部屋の出入り口に粘着テープを張られ
雨戸を閉められてご飯も食べさせてもらえず
優しく守ってくれる人が誰もいない中で
暗闇の中で独りぼっちで死んでいった理玖君は
亡くなる前に「パパ、パパ」と呼び続けて
怖くなって逃げ出した父親を自力で立ち上がり追いかける力もなく
パンの袋もあけることができなくなるほど衰弱していたらしい。
母親は彼が3歳の時に出て行く。そしてその時から父親によって
約2年間の監禁がはじまり、地獄の日々を強いられたのだ。
何もしていないのに、何も悪いことをしていないのに
ただ生まれて生きたいだけなのに、じわじわと、じわじわと
もっとも、悲惨で残忍で残酷なやりかたで、殺された。
子供は生まれてくる場所も親も選ぶことができない。
でも親は勝手に子供をこの世に放りだす。

望まない子供だったのか、それとも最初は誕生に喜んでくれていたのか。
少なくとも3歳までは両親が力をあわせて育てていたのだろうか。
なにもかも、わからない。確かに母子家庭も大変だけれど
父子家庭も大変だと思う。 例えば外でトイレを使う時に
大きな女子トイレには子供も一緒に入れるようになっている。
オムツ台のようなものもあるので、母親と子供は一緒みたいな
図式が出来上がっているみたいで(これはこれで別の問題もあるけれど)
それ以前に、父親だけの家庭もあるわけで、
男性トイレはどうなっているのかと思ったりする時がある。
アタシは女だから、入ったことがないのでわからないけれど
当然、父子家庭で男性が子供を連れ歩くこともあるだろうけれど
果たして男子トイレにオムツ台や個室に一緒に入ることが
できるように設計されているトイレがあるのだろうか。

仕事場も子育てには厳しいような気がする。
支援してくれるような体制があるのだろうか。
政府は子供が少なくなったことを色々言って子供を産めと言うけれど
産んだところで、何かあっても子供を安心してあずけるところも少なくて、
親から生きていることを無視された子供を助けることも出来ない社会に
どうして産むことが出来るのか。子供をなんだと思っているのか。
人口さえ増えればいいいのか。2年も監禁され殺され
7年も遺体を見つけてもらえなかった狂った世界がある。
家庭と言う小さな社会で愛情の欠片さえももらえず、
閉じ込められ、「パパ」と呼んでも抱きしめてももらえず、
ゴミの中で寝かされ、その間に恋人とあっているという
信じられないことをする残酷な親元に生まれてしまった
その命はどうしたらいいのか。
なんのために生まれてきたのか。なぜ、生んだのか。
愛せないなら、愛しぬく勇気がないなら
どんなことをしても守る決意がないなら
子供をつくらないで。哀しく怖く絶望だけしか与えられないなら
命をつくらないでください。お願いします。

アタシは親の立場とか、そんなんはわからない。
でも、虐待された子供の気持ちは死ぬほどわかる。
どんなに年月がたっても、どんなに大人になっても
消せない傷がある。許せないことがある。許せないことをバカだという人がいる。
でも、どうして?生きていることを否定されたんだよ。
なぜ、許せる?親だから許せ?いいえ、親だからこそ許せないのです。

幸いアタシは許さなくていいよと言ってくれた人がいた。
もう、人生はアナタのものなのだから
逢わなくてもいいし、逢いにいかなくてもいいし
拒絶してもいいのだと、否定を許してくれた人がいた。
血はつながっていても本当の親子にはなれないことを
理解してくれる人はまだ少ない。
結局、家族とは心と心。血ではないのだ。
たまたま生まれおちたところが自分を愛してくれないところだったら
自分から離れ捨ててもいいのだ。どこかにきっとあるはずだから。
受け入れてくれるところがきっとあるはずだから。

もしも願いがかなうことなら、その粘着テープをはがし
雨戸をあけて理玖君を連れ出せたら。
空が青いこと。美味しい食べものがあること。
雨の音。色んな遊び。言葉。ケンカ。笑顔。

悔しい。哀しい。哀しすぎる。

日本では虐待死が増え続けている。
問題はたくさんあるのだけれど、
例えば運よく誰かが気がついてくれて通報してくれて
子供を保護しても一定の期間が過ぎたら
相変わらず親もとにかえしてしまうことだと思う。
一度子供を虐待した親は、何度もする。何度も。
そして、結果的に子供が傷つき最悪命をおとしてしまう。
そうならないためにも、もう、親子というものへの
幻想は今すぐ捨ててほしい。子供の命を守るためにも。
そして、親が殺人者にならないためにも。
お互いのために、離れていたほうがいいことがある。
助けられたはずの命たちが、無視され続けている。
生きていることを無視されている命たちが
今日もどこかにいるのかもしれないと思うと
心が斜めにぶった伐られる気分になってきた。
いったいいつになったら、終わるんだろう。

生きているのは大人だけではない。
老若男女、人間以外も皆生きている。
生きたくて生まれてきた。生きたいんだよ、みんな。

カテゴリー:日々の想いや出来事+空への手紙

Author.ガオ
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★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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