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唐版 滝の白糸(KAAT×唐ゼミ)



気がつけば12月になってしまいました。
先月の中頃に「唐版 滝の白糸」を観てきていたのでした。



半券とチラシ

「冒した者」を観てから再び観劇熱がわきあがってしまい
長い眠りから目をさましたけれど、いざ、何かを観に行こうとすると、
有名どころはチケット代がやけに高いしストレートプレイなのに
デカイ劇場でやる感じなので、これではアタシが買えるような
一番安いチケットでは絶対楽しくならないなっていうのが
最大のネックになってしまいなかなか劇場に足がむかない感じだった。
そんな中、一枚のチラシがとても気になっていた。
唐十郎さんの名前。その文字だけでゾクゾクしてしまう。
「唐版 滝の白糸」はちょうど同じくらいの時期に
蜷川さんの演出ものも東京で上演していたけれど
当然アタシには手が出ないチケット代だったので諦めていたら
KAATで上演する唐ゼミの中野さん演出のものには
大久保鷹さんのお名前が。銀メガネ役だよ、すごい!
状況劇場のことをたくさん伝え聞いていたので
伝説のあの大久保鷹さんを生で観るの初めて!って異様に
テンションあがってしまって大変でした(笑)
しかもチケット代も良心的。これは行くしかないですよね。

もともと1975年の初演以来、数々の上演があった
「唐版 滝の白糸」での銀メガネ役は唐十郎さんが
大久保鷹さんをモデルとして書いたと言われているくらいなので
ある意味、鷹さんが銀メガネを演じるのが正解なのかもしれません。

冒頭からして、なかなか面白い。
観客席からむかって舞台右端にちょっとした映像が映し出され
今まさにこの劇場に入ってきた入り口のところに
銀メガネ役の鷹さんが怪しげに立っていて、
その前にはアリダ青年役の西村さんがいて5階にある劇場まで
銀メガネがアリダをつけてくるという映像が流れるのですが
もうすでに銀メガネの歩く姿が独特のリズムで面白い。
やばい。まだ舞台に現れていないのにすでに鷹さんに
オーラありすぎてドキドキしてしまいます。
そして、生身の銀メガネとアリダが目の前に登場してくれ、
ふたりのやりとりに惹きつけられてしまった。
正反対のふたり。まっすぐで太陽の下を歩くようなアリダと
暗闇の中で何かを抱えながらへらへらしているような銀メガネ。
そこにアリダの自殺した兄と一緒に生きていたお甲さんが加わる。
このお甲さん役の禿恵さんが素晴らしくて血と水の
クライマックスには思わず胸がいっぱいになり涙が出てきてしまった。
それにしてもです。大久保鷹さんの存在感。圧倒的。
お甲さんの水芸のくだりで観客席に銀メガネの鷹さんが来て
座って演技をしてくれる場面があるのですが
なんと、アタシの隣に座ってくれたのでした。
その時、彼が演技をしながらポケットに手をいれた時に
何かの音がしたんです。その直後に舞台に戻り煙草を吸う場面があって、
あ、ポケットには煙草が入っていたんだと思いました。
ちょうど煙がスポットライトの光に吸いこまれていって
後ろ姿がとても色っぽかった。うまく言えないけれど銀メガネの
どこかインチキな感じが、なんだかいい感じなのです。

お金ってなんだろうね。とっても必要だけれど、
どうしてこんなことになってしまうんだろうね。
涙が出てきちゃうのでした。

そして、この日は思いがけず演出の中野さんと
現代美術家のやなぎみわさんのアフタートークがありました。
恥ずかしながらアタシはやなぎさんについて
あんまり知らなかったのでピンとこなかったのですが
セーラー服姿で登場してくれた時に、そういえば
観客席で小さな少年と一緒に観ていた方かな?と思いました。
知らなかったけれど、オーラは感じていたので憶えていたの。
(もしかしたら違うかもですが・・)で、たぶん彼女と一緒に
観劇していた方がトークをしている彼女の写真を撮ったりしていた。
そしたら劇場の方がすっごいピリピリして注意していた(苦笑)
せっかくのセーラー服姿を撮ってあげたかっただけだと思うのだけれど。
トークはとても楽しかった。唐十郎さんの戯曲についてとか
「少女仮面」のこととか、なかなか濃い話が聞けて得した気分でした。

すべてが終わりロビーに出ると劇団の方たちが並んでいて
わぁ・・と思いながら、思わずお辞儀してしまったアタシ・・(笑)
たった一言だけアンケートに記してから、出口に行こうと
下りのエスカレーターに乗ると、ふと、自分の前に乗った方が
ついさっきまで舞台の上で銀メガネとアリダだった
大久保鷹さんと西村さんだったのです。楽屋口からではなくて、
普通に皆と劇場から出て行く気どらない姿はなんだかカッコ良かった。
外に出て、お友だちなのかファンの方となのかわからないけれど
3、4人で談笑していた鷹さんと西村さんにドキドキしながら
近くまで行き思いきって握手をしてもらおうとするかしないかと
心臓バクバクさせていたら、鷹さんが気がついてくれて
「今、観てくれていたの?」って声をかけてくれて、あぁ、優しいと思いました。
「はい。客席に来てくださった時、隣でした」と思いきって言ってみると
「あぁ、そうか」って人懐こい感じで笑ってくれて握手してくれたのでした。
あぁ、やばい・・素敵って思いながら、勢いにまかせて西村さんにも
握手をしてもらって嬉しかった。「感動しました」と言うと
素敵な笑顔をかえしてくれた。唐ゼミ。今後も楽しみです。




<作・監修>
唐十郎

< 演出>
中野敦之 (劇団唐ゼミ☆主宰)

<キャスト>
大久保鷹(銀メガネ)
禿恵(お甲)
西村知泰(アリダ)
安達俊信
重村大介
熊野晋也
入谷入山
鷲見武
東侃輝
松田信太郎
中川慎太郎
金純樹
野澤健
どいたかふみ
山根久央
増田侑真
岩田カブー
塚本周作
徳永翔
中林数貴
松永欣也
八重柏泰士
ワダ タワー
広瀬慎一
古屋亢信
北澤雅章

< 美術>
車田幸道

< 照明>
大石真一郎

<音響>
金川美咲

<舞台監督>
齋藤亮介

<衣装>
本永惠子
羽尻真季
林理紗

<ヴォイス>
やまもとのりこ

<劇団制作>
津内口淑香
椎野裕美子

<劇団演出部>
中條愛

<制作>
小沼知子

<技術監督>
堀内真人

<事業制作・統括>
崎山敦彦

<宣伝美術>
柳沼博雅

<写真>
首藤幹夫

<主催>
KAAT神奈川芸術劇場

<企画製作>
KAAT神奈川芸術劇場
劇団唐ゼミ☆

<協力>
国立大学法人横浜国立大学

カテゴリー:舞台観察記

テーマ:観劇
ジャンル:学問・文化・芸術

Author.ガオ
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★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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