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『戦争と一人の女』

映画館に貼ってあったポスター

ポイントがたまって映画が一本無料で観ることが出来たので
気になっていた『戦争と一人の女』を観てきました。
上映期間が二週間だったので終戦の日にあわせて
観に行ったらその日が、たまたまその映画館の
メンズデーだったので男子率がすごい中でこの映画を観てしまい
ちょっと女子としては観にくかったです(謎笑)
でも観てヨカッタ。パンフレットが1000円という高額だったので
結局、お金を払って映画を観た気分になっちゃったけれどもね。

パンフレットと半券

★この映画のあらすじ、キャスト、スタッフなどの詳細、公式サイトは コチラ

坂口安吾氏の原作は読んでいない。
単純に予告編の「戦争が終わるまでやりまくろうか」という
永瀬さんの素敵な声につられて気になっていた映画だった。
飲み屋を営む元娼婦の女、日々の絶望感でいっぱいの作家 野村。
そして、中国戦線で右腕をなくした帰還兵 太平。
虚無的ななんともいえない日々を一緒に生きる女と野村は
戦争の上をふわふわ彷徨う紙風船のよう。
女を演じる江口さんのこざっぱりした魅力もあるのか
シビアな場面もどこか風のようにサラサラ通りすぎていく感じ。

そして、悪魔にとりつかれたような日々を生きる太平。
「右手の先がかゆいんだ・・」
男たちに強姦されている女性を助けようとして
殴られて気絶して目が覚めると彼自身が勃起している。
そこだけでいいようのない静かな恐怖がわきあがる。
太平を演じる村上さんの冷たい眼差しがやけに美しくて
よりいっそう、太平の狂気と哀しみと残酷さが際立ってきて
「お米」と言うセリフを聴いただけで
なにもかも暗闇に突き落とされた気分になってくる。

「銀シャリが食べたいな」
女はヒロポン中毒で変わり果てた野村に白いご飯を
食べさせたくてお米を買いだしに行く。
しぶや駅。スーツ姿の太平が女の横に立った時
ガシっと胸をつかれたような映画な瞬間。
そして「お米」のことが会話された時にゾワゾワ怖くなる。
だけど、戦争。戦争を生きてきた人たち。
正常ではないのは太平だけではなく女もそうだった。
というか、正常ってなんだろう。
もしかしたら、正常なんて誰も観たことがない夢なのかも。

女はもう一度生きている実感を味わいたくて
太平を探しに行くけれど、太平は捕まってしまった。
彼のやったことは許されることではないし許せない。
でも、戦争中ならOKなの?
ふと、ゴダールの『カラビニエ』を想い出す。
戦争では何をしてもいいんだと言われた平凡な兄弟が
世界中の富を手にいれたくて気楽に戦争に参加する話。
ピリっと辛口でシニカルで残酷な場面が淡々と描かれていく。

結局、戦争がすべてを奪った。
そして戦争中だからしかたがないという戦争という名の
言い訳にアタシたちはいつまでつきあわなければいけないのか。
そんなことを感じながら、銀シャリと黄色いオムレツが
食べたくなるような不思議な感覚におちいる映画だった。


この映画の・・・

満足度:70%
おかわり度:永瀬さんと村上さんなのでテレビ版のマイクと丈治だ♪って
      思って観てしまったら、そんな映画ではなかった(笑)
      村上さんのどこまでも冷たい眼差しの残酷な美しさが
      脳みその端っこにこびりついてしまうほど
      この映画での村上さんの存在感がもの凄かった。
      もちろん、永瀬さんや江口さんもヨカッタのだけれど。
      江口さんって柔らかい桃色が似合うなぁ。
      彼女が着ていた着物や洋服真似してみたくなったけれど
      江口さんだから似合うのよね。ちょっと冷静にならなきゃね(笑)

カテゴリー:くいしんぼうシネマ

テーマ:映画館で観た映画
ジャンル:映画

Author.ガオ
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★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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