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『ザ・マスター』

半券

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観ている間と、観終わってからの感覚がストンと同時に消化できなくて、
気がつくとメモっておくまで1週間以上もたってしまっていました。
観たい映画はたくさんあるのだけれど、この映画を観た後だと
すぐには新しい映画に出逢えない気分になってきて
うまく言葉に記せない感情が今でも駆け巡っている感じなのです。
話は簡単。第二次世界大戦の帰還兵の独りの男がデパートの
カメラマンになったりして働いて普通に生活しようとするのだけれど、
アルコール依存で日常に対応できずにいて、たまたま観かけた船に乗り込み
密航していた時、その船の中で遭遇した新興宗教団体の教祖であり、
船の所有者であるマスターに出逢うのです。そして・・って感じなのですが
65ミリフィルムで撮ったとかそれ以前にとても美しい映画だった。
単純に映像から醸し出される色彩も綺麗なのだけれど、
なによりも主役の二人の迫力が美しかった。

P・シーモア・ホフマンさんがね、説得力があるんですよ。
歌ったり酒呑んだりインチキくさい本とか彼是なんかも
なんとなく信用しちゃう感じの魅力があるんですよ。
そんな思わず信じたくなっちゃうようなマスターに出逢ってしまった
彷徨う魂を抱き続ける男をホアキン・フェニックスさんが
皮膚の戸惑いまでこっちに伝わってくるような感じで熱演していて
そして、シンプルに言い放ってしまえば演出とか
映画的な云々以前に、この二人の生きざまというか演技ざまを
豪雨のように感じながら眺めているだけの映画だったりしちゃう。

この二人の関係は教祖と信者というよりは
友人よりももっと近くて、でも親子とか兄弟とか
恋人とかそういうのよりは少し離れているような
なんだろう・・なんともいえない依存関係というか。
だけど、この依存関係って、これは色んな関係にも
あることなんじゃないかな・・と思ったりしました。
最初はいい所しか観えてなかった恋人同士が結婚して、
あるいは同棲でもいいけれど一緒に住んだりすると
ふとした言動や行動に不信感を抱くようになったり、
観えてなかった色んな観たくなかった面が観えてきてしまったり
自分にとっては受け入れられないことも沢山出てきたり
何かが違ってくるあの感じ。だけど、なぜか抜け出せない。
会社とかもそうだし、学校とかもそうだし、
何かの居場所や組織を信用して自分をそこに置いて、
どんどんズレていくのに、せっかくそこを信じたから
なんか変と思っても信じたくて、そのまま居るというあの感じね。
親子関係なんかでも、そうですよね。家族というひとくくりの中に
家族だから、っていうことだけで依存し合っているあの感じ。

絶望な日々に出逢った人だから信じたかったのかな。
だけど、だからこそ、あのバイクの場面で思わず泣けてきてしまった。
スピード全開でそのままドリスに逢いに行くんです、フレディが。
戦場から帰ってきたら逢いに行くと約束したのに
逢いに行けなかったドリスのところへ。
行ってみればすでにドリスは他のヒトと結婚していて
名前がドリス・ディになっていて。「映画スターと同じ名前だ」と
切なくつぶやくフレディ。なぜすぐに逢いに行けなかったのか。
それは、きっと、すごく好きだったからこそなんじゃないかな。
そういう繊細な人だから、すぐに行けなかったんじゃないかな。
そしてタイミングがどんどんなくなっていって彷徨ってしまった。

最後にマスターとフレディが離れて行く感じが自然で好き。
演者の演技だけでシンプルに泣けたの久しぶりでした。


この映画の・・
満足度:78%
おかわり度:何度でも再会したい映画。
      そして気がつけば満足度100%にしたい。

カテゴリー:くいしんぼうシネマ

テーマ:映画館で観た映画
ジャンル:映画

Author.ガオ
cmaukie home
 【好き】
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 熱燗 電気ブラン ジンジャエール
 夕陽 冬の海 路地 ガリガリくん
 ニャンコの寝息 ワンコの笑顔
 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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