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『ゼロ・ダーク・サーティ』

チラシと半券

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カタルシスなどまるでない。
冒頭虐待的な非人道的な拷問に立ち会う
ワシントンから着いたばかりの主人公マヤは、
そのやり口に思わず嫌悪感を抱きながら眼をそむけている。
それはとても人間的な反応で普通だったら
目の前で繰り広げられていることに対して耐えられない。
それがラストに向かっていくにしたがって
彼女の態度や表情がどんどん変化していく。人間から機械に。
感情がマヒしていくその状態がすでに恐ろしくて怖かった。

任務とは冷徹になること。任務とは感情を殺すこと。
そして、本来の目的じゃないところへ辿りついてしまったことの怖さ。
ラストに主人公の彼女とそして観客たちは問いかけられる。
アメリカはどこへ行くのだろう。そして、これはアメリカだけの問題じゃない。
人が道を外れてもそれでも前に進んでしまった時の恐ろしさ。
なんのために巨額の金が使われ、なんのために信頼をなくし、
そして、なんのためにかけがえのない命たちが山ほど失われたのか・・
正義でもなんでもない、ただの復讐でしかない、その結末に
体中が凍り着く思いでいっぱいになる。
虚しい・・そして、その虚しさをここまで徹底的に描く度胸。
CIA側からだけに執着しているからこそ、
復讐でしかない虚しさが一層浮き彫りになる。
遠い昔の知らないニュースじゃない。
アタシたちがリアルに観てきたニュースの話。

キャスリン・ビグロー監督は、こういう骨太な映画を作るたびに
女性のクセにという言われ方するのね。
で、アタシはそういう言い方が大嫌いだったりもする反面
やはり、男と女は違うなとも感じていたりして
そして、違うからこそ惹かれあうんだと思うんですよね。
アタシは男の人に憧れるし、知りたいから恋するんだもん。
だから差別観ぬきにして誤解を恐れずに言わせてもらうと
むしろ、この徹底的なリアリティ感は
女性だからこそなんじゃないかなって思うんですよね。
これ男性が撮ったら全然違う映画になった気がするんです。
以前『カンバセーションズ』という映画のキャッチコピーで
“男はズルいロマンチスト、女は罪なリアリスト”というのがあって
すっごくウマイ宣伝文句だなって思ったんですけど
男の人って基本的にロマンチックだから、こういう映画でも
イスラム社会への配慮もいれたり特殊任務の兵士たちに
人間的な感情をいれて、襲撃に言い訳をいれそうな気がするの。
だけど、女性は現実主義なところがあるから
そういうのはいっさい排除。だって、どっちにしろ酷いことしたんだもん
そのまま描きましょうという、サッパリした感があるんだと思うんですよ。
だからこそ、この描き方はすごく納得できるし、
アタシはすんなり受け入れることが出来た。

カタルシスなんて、いらねぇよって。虚しいんだからさ、ってね。

この映画の・・

満足度:76%
食べ残し度:24%
おかわり度:とりあえずお腹いっぱい



カテゴリー:くいしんぼうシネマ

テーマ:映画館で観た映画
ジャンル:映画

Author.ガオ
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 ニャンコの寝息 ワンコの笑顔
 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

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私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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