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『クロエ』



★この映画の主なあらすじ、スタッフ、出演者は コチラ


「アタシ死ぬの。でもみんなそうでしょう?
 みんな生まれてからずっと死ぬ途中でしょ?」


なぜかふと、この映画のことを思い出して
久しぶりにこの映画に再会してみました。


クロエはずっと独りで生きてきて優しげでふんわりしていて
好き嫌いを穏やかにちゃんと言葉にする正直な人。
時間がないことを知っているから
今この瞬間、一瞬一瞬を大切にしたいと願う人。
高太郎もずっと独り。星が好きで真面目な青年。
クロエの病気が治ると信じて花を買うために
(花がいっぱい部屋にあると
 クロエの中のつぼみが花開かないことを発見したため)
皮肉にもクロエと一緒にいる時間がなくなります。
物語はその二人を中心に彼らの友人たちも見つめます。

社会という言葉に踊らされている人々への
真実を一番知っているくせに、
得体のしれないカリスマに陶酔して
まわりを傷つけ破滅していく栄助。
そんな栄助となぜか離れることが出来ずに
結果的に堕ちて行く日出美。
この二人がまた面白かったのです。
一見、全然完璧じゃない二人が真面目な高太郎と親友というのが
この二人も根はいい人なのだということがわかるから。

冷たい世間。矛盾している法則。
お金という皮肉。
それぞれの欲望。見失う日々。
みんなわかっているし、みんないい人なのに
うまくいかない死ぬ途中の人たち。

穏やかで温かな高太郎に出逢った途端
睡蓮のつぼみを肺に宿してしまいその花が咲いたら
死んでしまうという病気に突然かかってしまうクロエ。
彼女の病気が進行していって肺が苦しくなるという表現を
部屋そのものが狭くなっていって陽の光りも
窓も小さくなっていくというのがユニークで視覚的。
原作はちゃんと読んでいないのだけれど
この場面もあったのかな。言葉だとどんな表現なんだろう。
映像だとクロエの息苦しさが一瞬でわかるので映画的で面白いです。

人生は儚く、あっという間に過ぎ去って行く。
それなのに人は同じ事を繰り返してしまう。遠回りをしてしまう。
大切なことを踏みつけて立っていることも知らずに。
クロエが言う。悪いことを全部もっていけるなら
自分が死んじゃってもいいかなと。

高太郎がラストシーンで吸う煙草。
煙が肺に入った瞬間、彼が泣き叫ぶ。
泣き声なので、なんと言っているのだろう。
でも、煙が肺に入ったのは生きている証拠。
そして、そこに睡蓮のつぼみを宿っていたクロエを思う瞬間。
泣き叫ぶほど哀しいのは、それだけ愛していたということ。
そんな人に出逢えたということ。
アタシたちは人生でどれだけ出逢えるだろう。
泣けるほど、失った日々を後悔するほど、愛せる人に。

儚くて美しい映像、切ない感じのピアノの音色が
高太郎役の永瀬正敏さん、クロエ役のともさかりえさんの
二人の優しい感じと重なって淡い水色のような映画。


この映画の・・

満腹度:98%
食べ残し度:4%
おかわり度:70%

カテゴリー:くいしんぼうシネマ

テーマ:DVDで見た映画
ジャンル:映画

Author.ガオ
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★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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