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天国の五人

原題:The Five People You Meet In Heaven
著者:ミッチ・アルボム
訳者:小田島則子、小田島恒志


この本は有名な本らしくてドラマ化までされたらしいのですが、
例のごとく世間の流行りとはまったく関係のないところで
生きている自分にとっては、今がはじめての出逢いでした。
読んでみたいと思ったのも、たまたまの偶然の出来事だったのですが、
なんとなく読んでみたくなったのです。読んでみてよかったです。
暑い日でも、サラリと読めるシンプルでいい本です。

物語は遊園地のメンテナスの仕事をしている83歳のエディが
遊園地の事故で亡くなるところから始まります。
人生の終わりが物語の始まり。彼の死後に彼が出逢う5人の人たちとの話。
この設定が面白いと同時に出逢う人たちがエディが
強く記憶に残っている人たちばかりではない所もユニークなのです。
彼が一番最初に出逢うのはブルーマンという男の人。
ブルーマンは言います。

我々はみな君の人生になんらかの理由でかかわった人間だ。
君は気づいてなかったかもしれないが。だからこその天国なんだ。
地上にいたころの人生を理解するためのね


そして、2人目に出逢う人はエディが若い時に戦争に行った時の大尉。
3人目がルビーという女性。そして4人目はエディの愛妻だったマーガリート。
それぞれがエディと同じ体験だけれどエディとは違う視点から観た
想いや出来事をエディ側とは違う真実などを語ってくれます。
そして最後・・5人目。アタシはここで泣いてしまいました。
そっか、エディがずっと感じていた手のぬくもり。そういうことなのか・・と。

人は皆、忘れたいことがある。思い出したくない過去もある。
誰かを傷つけ、時代のせいにして、自分の人生はつまらなくて
生きている意味も何もないと思いながらも日々を過ごして
ため息、あきらめ、それでも生きる。そして、思いがけない時に死がやってくる。
明日も平気であると思ったら大間違いなのに、明日もあると思って今を楽しむのを忘れて。

逢ったことがなくても、少し顔を観るだけでも、
時代が違っていて自分が生きている時には出逢っていなくても
繋がっている。人と人。命と命。何かで必ず繋がっている。
アタシたちは人それぞれで、まったく別の人生を歩んでいる。
だけれど、繋がっているのですね。

親は誰でもみな自分の子供を傷つける。それは避けられない。
子供は新品の硝子と同じで、それを手にした人の指紋がつく。
汚れがつくだけのこともあれば、欠けることもあれば、
場合によっては修復不可能なまでに粉砕し尽くされることもある。



この本に書かれていること、痛いほどわかる。
それでも人間はどうしても赦せないこともある。
そして、赦されないこともある。
だけど、繋がっている。そして、明日は来ないかもしれない。
そう思ったら、もっと笑っていたいと思った。
通り過ぎて行くすべての命たちのために。そして、自分のために。
どんなにささやかでもいい。つまらないことなど、何もない。
そんな風に一瞬だけでも思えるような、気持ちが楽になる本です。

カテゴリー:読書感雑記

テーマ:読書メモ
ジャンル:本・雑誌

Author.ガオ
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 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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