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date :2004年12月

映画が死ぬ日

地道にポイントをためて1ヶ月前に映画館からもらった
フリーパスポートが今日で最後。
タダで映画が観放題の生活も今日で終ってしまうのね。
最初は公開作品を全部観るどー!ってな勢いがあったけんど
やっぱり上映時間の関係でなかなか暇がとれない時もあり、
そこの映画館の公開作品を全部観る事が出来なかった。
それでも、普段に比べたらそうとう観れたと思う。
やはりお金がないので、いつもだったら観れても1ヶ月で多くて4作品、
観れない時は1本しか観れない時もあるから1ヶ月で
『コラテラル』『血と骨』『パニッシャー』『オールドボーイ』
『スカイキャプテン』『ハウルの動く城』『レディジョーカー』
『ゴジラ~』『バットサンタ』『Mrインクレティブル』
『ポーラエクスプレス』『ニュースの天才』『ターミナル』
『エイリアンvsプレデター』の14本はすげぇ(笑)。
しかもお気に入りの『2046』は公開終了まで4回も観れたもんだから、
やっぱいいねフリーパスポート(笑)
でも、個人的に心に残る映画が少なかったなぁ・・。
数は観れても、どこか空虚な気分を味わった1ヶ月だった。

誰かが言っていた。
「映画が何でも教えてくれる。学校なんかいかなくても
 人生に大切なものはすべて教えてくれる」

大人が何も教えてくれなかったものを映画が教えてくれた。
はじめて観た映画は映画館ではなかったけれど
深夜のテレビでやっていたゴダールの『女と男のいる舗道』だった。
子供心にアンナに憧れ、髪型も同じにして
舗道に立ち情婦になりたがった(おい 笑)
まぁ、誰も声かけてくれなかったけど(当たり前だ 爆)
映画の中に出てくるレコード屋さんでバイトしたいと思ったし
アンナ演じるナナの真似してカフェで手紙を書いたり。
そして、少し大人になってもう一度この映画を観た時
また違う視点と思いで、この映画を愛した。
それからゴダールの実験的な手法にどんどんハマっていくと同時に
映画そのものが好きになる。

人生を変えたのは、ロバート・レッド・フォード氏が撮った『普通の人々』
彼がこんな映画を生んでくれるなんて想像もしなかった。
そこに出てくる人々は地球から放り出された壊れそうな人たち。
とりわけティモシー・ハットンさんが演じる
主人公の青年には胸がしめつけられる思いだった。
人生はいつも不公平で地球上では暗い気持ちを排除しようとする。
前向きでいこう、明るくいこう、とにかく元気をだそう、と。
だけど、人には色んな感情がある。
叫びたかったり、暗く沈んだり、
優しさを拒絶したかったり・・。気分には波があって
夜と昼があって、心が太陽な時もあれば、どしゃぶりな時もある。
泥だらけになって、洗っても落ちない気持ちもある。
だけど、それが人間なんだよ、それは、普通なんだよ。
君は普通なんだよ、と、映画の中で静かに教えてくれた。
エンドロールが終わり、劇中が明るくなっても
席からたちあがれなかった。涙が流れ落ちてきて体が震えた。
はじめて、誰かにありのままの自分を抱きしめられた気分がした。
すべての出逢う人々に拒絶されてきたけれど
この映画が「あなたはオカシクないよ、そのままでいいよ」と言ってくれた気がした。
どうせ、人生は死にむかっている。
それなら、自分から自分の命を投げ出すのだけはやめよう。
生きていくのは辛いけど、快いものなんだと教えてくれた。

映画はアタシの人生の灯火だった。暗く冷たい気分に
そっと温度をあたえてくれた。
その温度はゆっくり温かく決して太陽ではないけれど
まるで夜空の月のように見守っていてくれているようだった。
想像力、人々への偏見、ほんとうの優しさ、ほんとうの残酷さ
何もかも映画が教えてくれた。
映画はアタシの師のようなものだった。

だけど、その映画が死んでいく。
それはもしかしたら悲観的すぎる感情かもしれない。
でも、きっと、死ぬ。
その不安は、某映画が大ヒットした時に確信した。
あの映画が膨大にヒットしなければ、ここまで不安にならなかった。
だけど、みんなが絶賛する。それは好みの問題を越えて
アタシの心臓を突き刺した。あんな風に弱者に対して
冷たい映画が大ヒットする国にアタシは生まれた。
登場する老人に心をもたせない映画。女を差別して扱う映画。
そして致命的なのは画面の大きさを知らずに人物をおき
恥ずかしがらずに映画館でかけてしまう無神経さ。
今はDVDもあるしあとでビデオにするからという言い訳は通用しない。
信じられない。マジで、怒りを通り越して、愕然とした。

そこからは、そんな映画ばかりが公開される気がしてしかたがない。
そこには心の通った“人間”は登場しない。
ただの、記号。動く記号。
その人たちが、カッコよければそれでいいのだ。
そのカッコよさは、筋なんかどうでもいい。
地球からはみ出された人たちが
主人公になった映画はヒットしなくなった。
みんなをけちらかし、見せかけだけの
元気がある主人公ばかりが好かれる。
人生をうらやんだら、元気ださなきゃダメならしい。
暗い人やデカダンスな人は、まるで、死ねと言われているようだ。
もう、映画がアタシの灯火じゃなくなってくる。
今の映画はアタシをバカにして、きっと殺すだろう。

それでも、新しく生まれてきた映画たちが気になる。
産声を聞くと、つい、ふりかえってしまう。
ふりかえってしまうんだよね。
いつかまた逢いたいから。どうしてもね。

カテゴリー:日々の想いや出来事+空への手紙

Author.ガオ
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 鳥が斜めに飛ぶ姿
 カトルカールが焼きあがる香り

★飲喰雑記2012.4.9まではコチラ

 

私立探偵 濱マイクシリーズ BOX
映画三部作。
1作目「我が人生最悪の時」
モノクロ。哀しき友情。
日活映画の香り。
この玩具は閉まっておきなよって
ヤンのお腹をポンと叩くマイクの手が
人柄を表していて好きだなぁ。

2作目「遥かな時代の階段を」
ちょっと「エデンの東」のような
マイクの世界。

3作目「罠」
マイクとミッキー。
明と暗。太陽と月。これまた哀し。
不器用なマイクが恋する姿も良し。

「私立探偵 濱マイク」テレビドラマ版
テレビドラマ版濱マイク。
全話フィルム撮りで全話違う監督だから
キャラは一貫しているものの
各回の個性が強くある。
ドラマというより短編映画のよう。
毎回流れるオープニングの
「くちばしにチェリー」
(EGO-WRAPPIN')や、
YOUさんの予告などかつての
日テレドラマの傷天や探偵物語などを
彷彿させ毎週楽しみでした。

第1話「31→1の寓話」
緒方明監督作。
ちょっとマイクの服が
気合い入りすぎていて違和感(笑)
なかなか凝った話で面白い。
マニュアル通りに生きる哀しさ。
戦っている香川さん切ない。 野毛に
金ちゃんのお墓探しに行こう(謎笑)

第2話「歌姫」
前田良輔監督作。
横浜下町色全開で
このドラマの回のロケ嬉し。
磯村屋とかに焼きソバ
食べに行っちゃったもん(笑)
あの狭い路地も探しちゃった。

第3話「どこまでも遠くへ」
萩生田宏治監督作。
自分が生きている意味。
「ちゃんともっているよ」と
ハートをポンっとたたくマイクが優しい。
あきらかにメリーさんだよねという役柄で
岸田今日子さんが黄金町駅近の橋で
登場してくれるのが嬉しかった。

第4話「サクラサクヒ」
行定勲監督作。
この回が一番映画の濱マイクを
彷彿させる。話の軸になるのは
丈治とメイホアなんだけど
坂道の階段みたいなとこで
寝ころんで待っているマイクとか
横浜港の税関で情報を聞くとことか
二人組の刑事とのやりとりとか
あぁ、これがマイクだ~って感じです。
行定監督は映画版の時に助監督でした。
マイクとは縁が深いです。

第5話「花」
須永秀明監督作。
偽物マイクが出てきたり大阪に行ったり
マイクが黄金劇場でバイトしたり(笑)
ゴタゴタしている中でリストラ問題
独りぼっちの子供・・(泣)
子供の時の思い出がないから
子供にどう接していいのか
わからないというマイクに共感。
そういえば星野君・・・・いた?(謎)

第6話「名前のない森」
青山真治監督作。
ちょっと異色なマイクの世界感
いい意味でぶっ壊してくれていて
斬新で面白い。そうして、
「濱マイク」が「濱マイク」で
いたくなくなるというのは、実は
映画版の頃から伏線として
静かにあると思います。

第7話「私生活」
岩松了監督作。
岩松さんって器用な方なんだなぁ。
役者さんとしても劇作家としても
監督としてもなんでもこなしてしまう。
この回は野毛のパチンコ交換所で
マイクに情報をくれる謎の女サキが中心。
でも相変わらず謎の女です(笑)
赤いワンピースが華やかな
「誰も得はしないわ」というラストが好き。

第8話「時よとまれ、君は美しい」
石井聰亙監督作。
古風だけれど名作。
石井ワールドのロックな世界観。
自白剤の伏線。
意識が朦朧としている中での
声にならないくらいの
マイクの告白。 美しくて
哀しいラストに思わず涙・・。

第9話
「ミスター・ニッポン21世紀の男」
中島哲也監督作。
ぶっ飛んでます。アホです(笑)
中島ワールド全開です。
マイクとタダシの友情にもホロリ。
鑑別所で「立てよ、タダシ」と
言った時のマイクと同じように
都橋商店街でのラストでも
「立てよ、タダシ」といったマイク。
どんなに時が流れていても
ハートは一筋。 どこまでも
友達を見捨てないのだ。

第10話「1分間700円」
竹内スグル監督作。
クールです。この回のマイクは
ファッションのせいかな、どこか
『トゥルーロマンス』の時の
スレーター演じるクラレンスみたいで
やんちゃでカッコイイ雰囲気なのよねぇ。
しかし、ほんとに殺し屋の浅野さんが
ハマりすぎです。赦される意味を迷い
命を粗末にする独りの人間を
なんとかしてすくいたいと思う
命が消えそうな人間とのやりとりは
切ない感じです。ラストもクール。

第11話「女と男、男と女」
アレックス・コックス監督作。
マカロニウエスタンですよ、横浜で(笑)
おまけにミルクのエピソードまで。
色々盛り沢山なのに最後には
カラスでまとめちゃう
アレックス・コックス監督ステキです。
ってか、もう航海していない船で
どこへ行く?田口トモロヲさん(笑)

第12話 「ビターズエンド」
利重剛監督作。
最終回らしい最終回。
レギュラーメンバーが全員で
横浜鑑別所の歌を合唱する場面が
なんだか、すごく好きだった。
Bを演じたSIONさんは最高だった。
マイクを演じた永瀬さんの
どんな時も本気の思いが
ドカンと伝わってくる
迫真の演技に胸打たれる。
ラストに流れる「通報されても」
マイクのモノローグ。涙、涙。
利重監督の世界は温度があるね。




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